桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2013・9・24

2013年09月25日 | Weblog
目の前に「牛腸茂雄写真・こども」(白水社)と云う写真集がある。昨日六本木の街を彷徨している時にふと本屋に立ち寄って求めたものだ。牛腸茂雄さんについては数年前にもこの日記で取り上げたことがあるのでダブるかも知れないけど、俺が22才だった頃、当時の俺のパートナーとKデザイン研究所で彼が同期だった縁で知り合い、俺が撮ろうとしていたドキュメンター映画の撮影をやって貰おうとしたことがあって、二度か三度16ミリのボレックスカメラを携えて三人で都内をロケした記憶があるのだ。そして多分、俺のわがままが原因でその映画は制作中止になって、それっきり牛腸さんとも会わなくなり、結婚していたパートナーとも離婚してしまって会ってなかったもんだから牛腸さんがそれから15年後に37才で亡くなったことも知らないでいた。それが20数年経って佐藤真監督の「SELF AND OTHERS」と云うドキュメンタリー映画で牛腸さんは再び俺の前に現れた。牛腸さんは俺が出会って死ぬまでの十数年の間に「SELF AND OTHERS」と「見慣れた街の中で」という二冊の写真集を残していて、それは専門家の間で高い評価を受けていたらしかったが、写真には門外漢の俺は全く彼の活躍を知らないままでいたのだ。人生にタラレバは意味がないことは分かっている。でも、もしもあの時俺がわがままを抑えることが出来て、牛腸さんのカメラで映画をとっていたらと思うと、自分の至らなさ、見る目のなさににたまらない自己嫌悪を覚えてしまう。この「こども」と云う写真集には俺をそんな気持にさせる彼の独特の世界が繰り広げられている。★お客様にお願い。都合により突然臨時休業したり、開店時間閉店時間に変化がある場合がありますので、ご来店の際は電話でお確かめ下さい。★コレドシアター THE FINAL 桃井章遺作シリーズ②「パラソル」(作演出・桃井章,美術・部谷京子、出演・浜田晃、滝沢めぐみ)公演日11/13(水)~11/17(日)、料金3500円 ご期待ください、