桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2010・12・18

2010年12月19日 | Weblog
一時は開演を危ぶまれた乃木坂倶楽部「アルゼンチンにて」が無事千秋楽を迎えて、プロデューサーのLさんはさぞかしホッとしているに違いない。一本の芝居を企画するのは簡単だけど、千秋楽に持っていくまでの苦労はやった人間にしか分からない。Lさん、ホントお疲れさま。イベントスペースの賑やかさに釣られてか、バーカウンターの方もインド雑貨店の美人監査役Yさんたち、悠々セカンドライフのSさん、夕刊FのUさん、T大学院出とはとても思えない色っぽさを撒き散らしているN証券のF子ちゃんたち、色っぽさでは負けていない妖しい魅力をふりまく歯科医のSちゃん、SミュージックのH君、制作会社の経理責任者Iさんたちで、土曜日にしてはまぁまぁの混み方。このまま一日が終われば何の問題もなかったのだが、閉店間際になってIさんが「あれ、章さん、煙草吸わないの?」と言ったことから事件は始まった。去年の12月31日から一本も吸ってないんだと、禁煙に至った経緯を面白おかしく説明するが、禁煙できている一番の理由は、俺がショートピース以外の煙草を煙草と認めてなかったので、傍で他人が煙草を吸っていても全く羨ましくなく、吸いたいと思わなかったからでは?幸いにもこの一年でショートピースを吸っているお客さんは一人きりしかいなくて、それも一本くださいと云えるような関係の人じゃなかったからよかったけど、これが貰い煙草を出来る人だったり、ショートピースを日常的に見かけていたらどうなっていたか分からないと話していたら、Mがショートピースならここにあるよとお客さん用の煙草ケースの中から箱を取り出してみせる。殆ど一年ぶりに見るショートピースの箱。最近までそれはそのケースの中になかった筈だ。それなのに何故?の問いに、イチゲンのお客さんにショートピースがないの?と聞かれたので買っておいたと答えるM。あ、そうと話題を他に移したものの、俺の意識は目の前にあるショートピースに釘付けになっている。たまらない。吸いたくてたまらなくなった。我慢……無理。俺はショートピースの封を切ると煙草を加え、マッチで火をつけた。一服……二服……一年ぶりのニコチン。でも、それだけ。三服目にいく前に俺は灰皿に煙草を揉み消した。途端、Mから勿体ないとの声。俺は更にもうそれ以上吸わないように一本吸っただけの煙草の箱をゴミ箱に棄てる。するとまたしてもMから「勿体ないからとっておけばいいのに」との声。「あ、そう、分かった」とゴミ箱からショートピースを拾い上げて、ポケットにしまう。それから寝るまでの数時間。俺はポケットの中のショートピースと格闘する。吸いたい、吸いたい、吸いたい……でも、ここで吸い出せば月に3万円以上の出費になる。3万円、3万円……吸いたい、吸いたい……3万円、3万円……その格闘を続けた末、漸くショートピースを水道の水で濡らしたのは朝方になっていた。
●年末は大晦日まで営業します。
●「即興劇の夜」出場者募集!
予選・2011年1月12日、13日、14日、決勝・1月15日 いづれも19時半開始(出演者は19時までに集合)参加希望者は前日までにmomoi.akira.113アットdocomo.ne.jp(アットを半角でマークにして下さい)までメールで個人エントリーして下さい。詳細はホームページをご覧くださるか、コレドシアター(03ー3470ー2252 18時以降)までお問い合わせください。
●リスボンの夜 Primeiro『リスボン泥棒市 乃木坂版』(日時1/17)~1/21、料金は無料)、リスボンの夜 Segundo 西沢利明ひとり芝居『異名者たち~ペソアとその仲間たち』(台本演出・桃井章 日時1/24(月)1/25(火)開演19時半 料金3000円、
リスボンの夜 Terceiro『津森久美子ファドライブ』(1/27(木)20時開演(18時半開場 料金・3000円、40名様限定、ゲスト 高柳卓也(ファディスタ)、月本一史(ポルトガルギター)
リスボンの夜についての詳細はホームページで。予約お問い合わせはコレドシアター(☎03ー3470ー2252、18時以降)まで。
コレドのホームページのアドレスです。 イベントスケジュールなどご参照ください。