桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2010・12・3

2010年12月04日 | Weblog
8時過ぎに店へ出てみると、店内には一組の中年男女がカウンターの端に坐っているだけだった。横顔をチラッと見た限り知らない顔だったし、Mも誰それさんが来ていると云わなかったので、イチゲンの客だと思って軽くいらっしゃいませと挨拶して、用事を済ませると二人とは反対側のカウンターの隅に坐り、Mと連絡事項を話したりしていた。処が、しばらくして男性がトイレに行って一人になった女性が何気なく俺の方に顔を向けた。うつむき加減だったり、横顔しか見えなかったので気がつかなかったのだけど、明かりに照らされたその顔は正しく女優のOだった。最近じゃあまり活躍する機会を与えられてないので、ちゃんと芸名を書いても若い人で彼女を知る人はあまりいないかもしれないけど、俺たち世代にとってはテレビ小説の主役でデビューしたOは美人女優として有名だ。と云うより、俺は彼女の出た連続ドラマを書いたことがあるし、所属していた事務所の社長と仲がよかったので、二三度一緒にお酒を飲んだことがあって、そのときのスナップも残っている。俺は彼女だと気づいた途端、Oさんですよね?お久しぶり……と声をかける。すると彼女は「N」以来ですよね?と一緒にお酒を飲んだ店の名前をあげる。なんだ、俺のことを覚えていたのか?だったら声をかけてくれればよかったのにと不思議な気になる。普通こういう場合、有名人だと自分のことを思っている人は、俺が覚えていようと覚えていまいと関係なしに、会うなり「桃井さん、お久しぶり」と声をかけてくるものだ。それなのに……彼女は自分が有名人じゃなくなりつつあることを自覚しているのか?そう思った途端、彼女のことを愛しくなってしまう。一緒にいたマネージャーがちょうどそこに入ってきたプロデューサーのKさんと話し始めたこともあって、54才になったOの女優としての生き方の相談に乗ってしまう俺。気づいた時には一緒にウチで芝居をしようと言い出していた。人生は出会い頭ということがある。Oとは旧知だから出会い頭ということではないのだけど、54才になった女優Oと小さなシアターのオーナーの俺の出会い頭的芝居が来年実現するかもしれない。
●年末は大晦日まで営業します。
●「即興劇の夜」出場者募集!
予選・2011年1月12日、13日、14日、決勝・1月15日 いづれも19時半開始(出演者は19時までに集合)参加希望者は前日までにmomoi.akira.113アットdocomo.ne.jp(アットを半角でマークにして下さい)までメールで個人エントリーして下さい。詳細は近々ホームページでアップします。
●リスボンの夜 Primeiro『リスボン泥棒市 乃木坂版』(日時1/17)~1/21、料金は無料)、リスボンの夜 Segundo 西沢利明ひとり芝居『異名者たち~ペソアとその仲間たち』(台本演出・桃井章 日時1/24(月)1/25(火)開演19時半 料金3000円、
リスボンの夜 Terceiro『津森久美子ファドライブ』(1/27(木)20時開演(18時半開場 料金・3000円、40名様限定、ゲスト 高柳卓也(ファディスタ)、月本一史(ポルトガルギター)
リスボンの夜についての詳細はホームページで。予約お問い合わせはコレドシアター(☎03ー3470ー2252、18時以降)まで。
コレドのホームページのアドレスです。 イベントスケジュールなどご参照ください。