Mと渋谷の駅ビルにあるイタリアンでランチ(不味い、最悪、どうしたらここまでひどい料理を出せるのか)して、Y君が協力するウンプテンプカンパニーの公演『赤のファウスト』のゲネを見る為に2時前に調布のせんがわ劇場へ。当初の予定では、2時開始で約2時間程の芝居だと聞いていたので、乃木坂まで劇場から一時間かかるとして5時には店へ辿り着ける筈だったのが、開始時間が30分近く遅れた上に上演時間も休憩を入れて2時間40分だと聞いて、全部見てたら確実に開店時間に間に合わないと判断。泣く泣く前半部分だけで劇場を後にする。泣く泣くとしたのは、予想以上によかったからだ。台本を読んだ段階では、ゲーテの『ファウスト』だし、俺の理解力ではとても面白がれなかったが、舞台はとても魅力的になっていた。舞台は演出だ。つくづく演出の力を知る。刺激を受けた俺は、帰りの電車の中から八月にたった一日だけ公演する芝居のことで頭の中が占居される。とても今日の芝居とは比べようがないが、何とか魅力的な空間を作りたいと決意を新たにする。店について開店準備をしてから二人ですき焼き(美味い、最高。どうしてこんな御馳走を1200円で出しているのか)で腹拵え。お客さんは中学教師のWさんと土曜日にパーティをしてくれるMさん、映画プロデューサーのKさん、常連の演出家Sちゃん、テレビ制作会社社長のHさんたち、SミュージックのIさんたち。お客さんは12時半までには帰ってしまったし、明日も芝居の為早起きのY君を早めに帰して、俺たちも1時半過ぎには店を出る。部屋で稲庭てんぷらうどん。茗荷ととろろ昆布も添えて、渋谷のイタリアンの二倍は美味い。