緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

みほちゃんとグリーフワーク(1)

2023年03月06日 | 医療

25年ほど前、
シンシア ホワイトさんは
大切な人と死別した
子供達をサポートする
ダギーセンターのトレーナーでした。

ルーテル学院大学が
学術振興会の助成で
シンシアさんを日本に招聘し、
当時、国内にはほとんどなかった
大切な人を亡くした子供たちの
グリーフワークのための
ファシリテーター研修と
6回コースのサポートグループトライアルを
実施したことがありました。

私もはじめてトレーニングを受け、ファシリテータとして参加することができました。

その時のことです。(再掲)
Cheryl HoltによるPixabayからの
画像 

*****************
随分、前のことになります。

大切な人を亡くした子供達の
サポートグループに参加していました。 

当時、小学3年生のみほちゃんは
2歳のころ、お父さんを急な出来事で亡くし
お父さんの記憶がありませんでした。 

6回のグループワークの中で、
みほちゃんは

「私は、お父さんを知らない。 
 知らないこと、思い出せないことが苦しい」

と、少しだけ話してくれました。 

この子供のためのグリーフワークグループは
毎回、
最初の集まり
自由な遊び
テーマを決めたグループワーク
まとめ
を、2時間を1セッションとして開催されていました。 

子供1~2人にトレーニングを受けた
ファシリテーターの大人が1人つきます。
 
ファシリテーターは、
子供達の動作や言葉をリフラクション
(反映:そのままの動作を繰り返したり言葉を繰り返すこと)
したり、
オープンエンドクエスチョン
(開かれた質問:5W1Hで始まる質問)
を用いながら関わっていきます。 

ある日のグループワークのテーマは
“亡くなった人の絵を描いてみよう”というものでした。 
(つづきます)


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2 コメント

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お子さんのための… (PANDAの妻)
2009-12-11 13:34:20
先日、最寄り駅で「あしなが育英会」の募金お願いの少年少女が頑張っていました。
彼ら彼女らにも、このようなワークがあるのかなぁ…と記事を拝見しながら思いました。
前回のコメントでは失礼致しました。主人と一緒になって18年。その前を合わせると27年…。しかし、いまだに「この人、こんなところが?!」と発見することがあります。
先生はご主人様の「新たな発見!」に遭遇されたことはございませんか?
返信する
コメントありがとうございます (aruga)
2009-12-13 21:04:32
あしなが育英会・・
実は、この記事のセッションに、育英会の方も参加されていました。
今、どのような形で生かされているかは存じ上げないのですが、育英会の方々は、温かな、大きな心をもっていらっしゃいました。

ご主人の新発見・・素敵ですね!
およそ四半世紀、想定内の日々かなぁ・・・・
返信する

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