緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

取材のその後(1)

2007年04月26日 | 医療

症状が改善すると延命効果
でご紹介した患者さん。
膵がん、腹膜播種、骨転移がありました。
TV取材を受けた後・・・

一度ご自宅で転倒され、救急外来にいらっしゃいました。

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肋骨を打撲したようですが、救急部で骨折はないことが確認され
コールがありました。

幸い骨転移の場所からは遠く、大きな問題はありませんでした。
ただ、転んでしまったことに
ご本人はちょっとショックを受けたような表情をなさっていました。

外で待っていてくださったご家族
特に娘さんがいつも付き添われて外来にいらっしゃるのですが
今は心配ないことを説明しました。

胸椎に転移があるので
足に力が入らなくなるかもしれないことは
事前に説明をしていました。

そのために転んでしまったことから
自宅でこれ以上生活できるだろうかという表情でした。

「たぶん、今入院すると、退院できなくなると思います・・」

膵がんもぎりぎりの状態でした。

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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
どのような状態を緩和というのでしょうか (ラヴェル)
2007-04-27 01:05:08
数日前から拝見しています。私の父は末期がんで某がんセンターで見送ることになりました。逝った後に、このサイトを拝見し、父がこの状態にあったことと、緩和で診ていただくには情報も時間もなかったということを感じます。しかし心ある医療関係者の方々に診ていただいたことも事実です。要は、緩和を目的とする患者が即座に入院の用意をいただける病院の情報をいただき、そうでない病院が受け皿になった場合に受け入れ先の病院との連携がいかに少ないかということではないでしょうか。先生はどう思われますか。これからがんがますます日本人の死亡の大半を占める疾病であるといわれるなか、末期で発病される方も多くなると思います。緩和が一般治療に入り込んでもいいのではないかと思い、一筆させていただきました。
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Unknown (aruga)
2007-04-27 21:22:26
>心ある医療関係者の方々に診ていただいた・・

この時点ですでに緩和ケアが提供されていたのです。
緩和ケアとは、病棟やホスピスといった入院のための施設だけをさすものではありません。どのような状態でもどのような病期でも、どのような施設であっても、提供されるべきものです。(過去ログを参照ください)お父様は緩和ケアを受けながら最期を過ごされたのだと思います。医療連携で場を移すのではなく、急性期医療の場で緩和ケアを同時に受けることが出来たのは、大変お幸せなことだったと思います。


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そうですね、ただ・・・ (ラヴェル)
2007-04-28 20:14:56
先生がおっしゃるように精神的な、広義での緩和ケアはうけることができたのだろうと思います。私の説明が足りなかったのだと思いますが、先生のサイトを拝見して、緩和ケア病棟のあるところとそうでないところでは、これほどに対応がちがうのか、と驚いたのです。温かく接していただくということと、緩和ケアの知識をふまえた患者さんへの対応ができるということは別のことだと思います。父は信頼できる方々に囲まれて幸せだったと思います。ただ口では悟ったように言いながらも、最期を迎えることにあたっての準備はできていなかったと、まだ生きることが可能だと思っていたと思うのです。それをお薬を使うことの説明(本人、家族に対して)も含めて、気持ちのうえでもおだやかに整理させてくださるのが本来の緩和治療なのではないでしょうか。その理解が正しいのであれば、治癒を目的とした治療に携わる医療者と緩和ケアとの連携と、それぞれに携わる方々の互いへの必要性に対する認識がもっと高まってほしいと思います。専門的なことは何もわからないのに勝手なことを申し上げてすみません。でもこれは家族の気持ちを背中に感じながらひとりの人の最期をそばでみていた者として、申し上げたいと思うことなのです。
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緩和ケア病棟ではないのですよ (aruga)
2007-04-28 20:57:02
同じ時間にアクセスしてくださっていたようで、今日の記事を書いていたときにコメントを頂いたお知らせが入りました。会話をしているように感じられ、ありがとうございます。

参考までに、私の所は、緩和ケア病棟ではないのですよ。
大半はサポーティブケアとして関わっていますが、まれに主治医となる患者さんは1~2%に過ぎません。その方々も一般病棟・・・つまり、緩和ケアとしてトレーニングを積んだ看護師や心理士などはまったくいない普通の急性期病棟で行っています。
条件は整っていませんが、多方面から勉強を続けてきましたし、今までの患者さんが教えてくれたことの積み重ねを日々実践してきただけのことなのです。
頂いたコメントが多くの医療者の心に届くといいなあと思っています。
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Unknown (ラヴェル)
2007-04-28 21:43:41
私は先生のお書きになっていることを拝見して、てっきり緩和ケア専門の病棟のお医者様だと思っていました。ひいては、一般治療の中で支援的な立場におられる緩和担当のお医者様にこれほど差があるということですね。私の父の場合にも、主治医の先生とは別に緩和・麻酔担当の先生が数名付かれましたが、その方々から有賀先生が行っておられるような対応を頂くことは残念ながらありませんでした。先生方の父に対するケアの迷いが私達家族にまで感じられるほどで、父がそれで感情的に乱されたこともありました。やはり、本当に僭越ですが、先に申し上げたように、緩和治療の成熟を願います。そして既存のがん治療と緩和ケアの歩み寄りを医療者の方々全体に本当に実践してほしいです。そうでないと父の死が本当に辛すぎると思うのです。有賀先生からもそのような働きかけをしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
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ありがとうございます (aruga)
2007-04-28 22:46:27
緩和ケア=がん疼痛緩和という意識が強いこと、また、麻酔科の医師が身体的苦痛を、心の苦痛は精神科医が分担することが多いです。
でも、死やがんに直面し、心も体も痛いわけですから、緩和ケア担当医が患者さん丸ごと関わらなければ上手くいかないと思うのです。
学会やガイドラインでは語りきれない日々の様子を書くことで、ご指摘のような働きかけの一つになるのではないかと始めたのが、このブログでした。
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Unknown (hirocl)
2007-05-03 17:24:03
先生こんにちは。先日病棟である患者さんのカンファレンスの時に初めておめにかかりました医師です。今日のブログの内容は本当に私も共感するところです。ラヴェルさんがおっしゃっていることも患者さん側のご意見としてもっともで、どうしたら緩和ケアがもっと多くの医師に浸透するのか、またよい連携が取れるのか日々考えております。このブログを通じて少しでも良い道しるべを得ることができればと期待しております。
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よろしくお願いします。 (aruga)
2007-05-03 23:44:42
最近、幾つかの病棟のカンファに参加したので、うわ~何方かしら・・と思いつつも思い浮かばない・・ごめんなさい。
この時期(4~5月)は、外から来た医師も多く、緩和ケアはもとより、チーム医療に慣れていない医師もおり、院内も色々大変です。
是非、お力をお貸しください。
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チーム医療 (hirocl)
2007-05-04 21:04:06
日本の多くの医師が最も苦手とするところでしょう。緩和ケア専門医を目指す医師はチーム医療の大切さを徐々に知っていくことになり、それに適応しようとするでしょうが、しかしながら緩和ケア専門医としての仕事をしている医師達の中にもチームの一員になれない人たちが多いようですね。先生のところのように研修の一環として緩和ケアがあると、将来その道を目指していない方達も多くいらっしゃるでしょうからご苦労なさっていること、お察しいたします。これからもよろしくお願いいたします。いつかどこかで先生に私です!ってご挨拶できたらと思います。
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