緩和医療科外来で・・・・
他院で、オピオイド導入時に制吐剤を処方された患者さん。
次第に、おかしくなっていったと患者さんは自覚されたそうです。
居てもたっても居られなくなったり、
奇声をあげたり、
自分の意思とは別に体が動いてしまったり・・
その状況を、主治医は診断を付けることができなかったようです。
幸い、抗がん剤が効き、痛みは消えていき、
オピオイドと制吐剤は中止することができたようです。
退院された患者さんは、ご自分で調べたり、
精神科にも御相談されたそうです。
その一連の症状は、制吐剤によるものですね。
そうおっしゃいました。
その通りです。
制吐剤の副作用の
アカシジア、ジスキネジア、パーキンソンニズムなどが
生じた症状と思われました。
私の外来を受診された目的は、
今後、また痛みが出てきたら、
制吐剤はもう投与できないと思うので、
どうすればよいのでしょう
という相談でした。
まったく、心配はありません。
まず、前述の副作用はオピオイド(医療用麻薬)の副作用ではないこと。
制吐剤は、導入時だけに必要としているものなので、
もう、制吐剤なしで再開しても、嘔気はでないこと。
万一、嘔気が出た時は、非定型の副作用がすくないものを
選択し、必要な期間内なら心配ないこと。
これらのことを説明し、
紹介状を書いてくだった主治医に
詳細なコメントを返信として書きました。
それにしても、驚きました。
制吐剤は、漫然と2ヶ月間投与されていました。
私は、通常、導入時、1錠だけ内服して頂き、
後は、嘔気が万一出た時に2回分ほど持っていて頂きます。
オピオイド開始時の嘔気は、
これだけで、ほとんど出てきません。
後に続く嘔気の大半は、便秘です。
そして、患者さんはおっしゃいました。
本当に怖いです。
主治医は、この副作用を知らなかったのです。
入院中に、パソコンを持ち込んでいれば
自分で早く調べてわかったのに・・
緩和ケアの医師も
精神科の医師もいない病院でしたと。
患者さんに落ち着きがなくなったら、
基本的に制吐剤が直接の原因ではないと思っても、
一旦、中止すべきです。
スクリーニングは、
眉間を軽くノッキングして瞬きが頻回でないかどうかみること。
座ることができる方の場合、
頻回にお尻を浮かせたり、位置をかえたりしないかどうか。
ほとんどベット上で過ごされる方の場合、
足を重ねて、落ち着きなく擦り合わせる動作をされていないか見ること。
です。
制吐剤によるこのような副作用は知っていましたが,実際に経験したことはありません。
確かに麻薬の使用開始時に使い始めて漫然と投与してしまうことがありますよね。色々勉強しなければならない事が多いです。
これからもお邪魔させて下さい。
すごく勉強になりました。
どこかで発表なり論文にしてあるのでしょうか?
次回からそれでやってみようと思います。
いつも一週間分しか出してないのに、主治医から継続処方をしょっちゅうされています。
これならそういうこともなくなります。
やってみます。
こんにちは。
そうなんです。知識としてあっても、中々それがアカシジアだとは意識していないと診断しきれないものなのです。極軽度なものもありますが、眉間をノックしてみる方法は、とても、有用ですよ!!
Taichanさん
ご無沙汰しています!
ベンケーシーにそんなシーンがあったなんて、ちょっと感激です!!感度・特異度が高いあたり、神経系ではド素人の私でも出来て、本当にありがたい診断術です。脳外科医Taichanにこう書いて頂けるとさらに嬉しいです!
makiさん
動物実験で、鎮痛効果を生じる血中濃度1に対し、モルヒネの嘔吐は約0.1、オキシコドンは0.7で生じるという報告があります。つまり、最初の立ち上がりをしっかり押さえれば、後は嘔吐はでないのではないかという仮説からそのような投与方法をとってきました。
実際に、オピオイド導入時の制吐剤のエビデンスは低く、また、嘔吐を生じる人は30%程度ということから、制吐剤のリスクとのバランスから、予防投与の是非が議論されています。
先生は他の方と同席されたいたので、今回はあまりお話し出来ませんでしたが・・・なんだか嬉しくて・・aruga先生のお顔が浮かびました♪
ありがとうございます。
今回の制吐剤の話しは、すごく驚きと納得が同時でした。アカシジアのことも先生の記事で知り、実際現場で役に立ちました。
私の周辺ではオピオイドを内服されている方には、普通に制吐剤はセットでついています。
入院している時に結構な量のオピオイドを処方されてる友達も、今思えばアカシジア的症状があった気がします。
処方されたままに薬を飲んでいた彼女も、途中で何かおかしいと言うようになって・・そして薬の変更が行われたようでしたが、処方するDrと、そして処方される患者側・・その関わり方も病気と同じで、みな違うのですね。
今、4年前の彼の嘔気を思い出してみても、オピオイドというより便秘が原因だったんだなと思います。今の現場(療養型)でも便通コントロールの大切さを痛感しています。同時に心への関わり方もですが・・
とてもとても、こんな1介護者にも大切な学びの場所です。お忙しいなかでの記事の更新に心から感謝しています♪aruga先生ありがとうございます。
復帰、おめでとうございます!
今までのご経験、大切な方が残してくれた経験を、これからケアされる方に繋いでいけますね。これも、命の繋がりですね。
素敵です。
どうぞ、ご無理をなさいませんようゆっくりと。応援しています!
オピオイド開始時の制吐剤の使い方は、実は確固たる方法は確立していないですよね。先生方によってスタイルがあってマチマチという印象です。自分は開始2週間くらいは続ければいいかなと思っていました。
緩和の分野って、本当にエビデンスが少ないですよね。もっとしっかり勉強していかなければと、改めて思った次第でした。ありがとうございました。
・・・医学部、何校か受かってきました!まだどこに行くかは決めてませんが、取りあえず先生と同じ、お医者さんにはなれます泣
四月は、不安でいっぱいだったので、先生からのエールが、すごく嬉しかったです。有り難うございました(*^^*)
只まだ明日T京大学さんの二次試験が一つだけ残ってるんですけどね笑
・・・でもびっくりしました。大学病院の事を調べていたら、緩和ケアのページにaruga先生の名前があって笑
・・・そして先日はWHOの定義等含めて、がん以外の緩和ケアについて、教えて下さり、有り難うございました(><)(勉強が忙しくなり、なかなかお返事できませんでした。すみません;)
やはり日本ではまだまだ「がんの患者さん」に対してが主流なんですね・・・
そういえば、大学病院の事を調べている時に、
よく、「ペインクリニック」というものを見かけたのですが、緩和ケアとは別枠で書いてありました。
「ペインクリニック」も痛みについての医療ですよね・・・?緩和ケアとは違うのですか?
お立ち寄りくださり、ありがとうございます!
エビデンスが少ないことに加え、患者さんの個別性が高い領域なので(遺伝子の多様性なども含め)、患者さんをよくみること、いつも、リスクとベネフィットを考えることを心がけています。本当に自己研鑽を求められます。がんばりましょうね!!
kanaさん
合格おめでとう!!よかったね!!
ペインクリニックと、緩和ケアの共通点と相違点・・また、入学したら、ゆっくり調べてみてくださいね。
(医学部入らないと始まらないのですが、でもね・・医師には、大学卒業しても、国家試験に受からないとなれないのよ~ 6年間大変だけど遣り甲斐はありますよ!)
新しいとされる『 イメンド』はどのような使い方をすればよいのでしょうか。