緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

錐体外路症状を早く見つける方法

2008年05月18日 | 医療

昨日は、学会の委員会。
今日は、次男の応援・・ リラックスムードだけれど
何だか、体がだるい一日。
来週末のスライド作りが終わっておらず、
その他の原稿も丸々複数残っていて、汗ッ・・




そのスライドにからんで、ワンポイントアドバイスを。

制吐剤として、せん妄治療として、緩和医療領域では
抗精神病薬を用いることがよくあります。
メジャートランキナイザーと言われる薬剤でもあります。

精神科領域で投与されるより、短い投与期間ですが、
細心の注意を副作用の出現に払っていきます。
代表的なものが、錐体外路症状。

持続的なドーパミンD2受容体遮断作用で生じます。
経口内服薬は、色々な工夫でこの副作用がかなり少なくなりました。
非持続的なもの、多受容体作用のもの・・

でも、飲めなくなったら、投与可能なものは
ハロペリドールだけです。
投与期間が長くなったり、高用量の場合はこの副作用に注意が必要です。

前置きが長くなりました。
その錐体外路症状の診断方法

患者さんの眉間を軽くトントンと指でノックします。
通常、軽くトントンとされたくらいでは、瞬きは多くなりませんが、
錐体外路症状が出始めると、
トントンとされただけで、バチバチバチと頻回の瞬きを認めます。
これがスクリーニング方法です。

採血などで知るには、プロラクチンを測ります。
高値になります。

抗精神病薬だけではなく、普通の吐き気止めでもなることがあります。
錐体外路症状(パーキンソンニズム)を疑ったら
眉間をトントンとして早く診断につなぎ
薬剤の中止や変更などを行ってくださいね。

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2 コメント

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やってみます (エクセ)
2008-05-19 21:05:59
気になる症状です。でも、もっと早く見つけられればと思うこともありました。眉間をトントン。やってみます。
返信する
コメントありがとうございます (aruga)
2008-05-20 08:06:14
やってみてくださいね。早めの副作用対策につながりますように!
返信する

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