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緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

子供たちへのケアの問題は・・

2009年12月18日 | 医療

緩和ケアの対象は、患者さんだけではなく、患者さんご家族も含まれます。

このとき、子供たちへのケアはとても大切なのですが、
とても、難しいのです。
もちろん、コミュニケーションの力も問われます。
が・・ もっと、異なったところで難しさを感じます.





子供たちにアクセスできないのです。

必要だと思ったときに、会えないのです。




患者さんも、その配偶者も、精一杯の状況が続きます。
子供たちへ、ご両親としてケアしたくても、
余裕がない場合も少なくありません。

施設内医療機関の医療者としては、
子供たちのケアをしたいと思った時、
まず、子供たちが病院・医院に来てくださらなかったら、
コンタクトがとれません。



その協力をくださることが、患者さん・ご家族にとって、
予想以上にエネルギーを要することなのです。



自分の病気ではなく医療機関に足を運ぶことは、非日常的なことです。
ご両親の病気のことで、病院まで来てほしいと言われた場合は、
悪い話を予感します。

患者さんも、
「ご自分の疾病のことで病院に来てと子供たちに言えない」
とおっしゃることは少なくありません。

また、場合によっては、
子供たちを傷つけたくないという気持ちで
どんな話をされるのか心配であったり
医療の難しい話や自分の状態が悪いという話をされることで
子供たちは泣いてしまうのではないかと思い、
そんな思いを子供たちにさせたくなくて、
医療者と会うことをできれば避けたいと思う方もいらっしゃるかもしれません。

子供たちに、親の病名を伝えることは
ご本人への病名説明が今や普通のことになったこともあり、
行われているように感じます。

でも、再発や病状が悪化していることは
伝わっていないことが多く
中には、

患者さんが日単位になっても、
その病状が子供たちに伝わっていないことすらあります。

残された方にとって
急な別れは、
もう、時間を取り戻せません。


私たちにとって、
子供たちにどうアクセスするか・・・
ご家族のケアをするとき
これが、課題だと感じています。

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3 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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大事な問題ですね。 (PANDAの妻)
2009-12-25 01:35:35
患者さんご当人も大人のご家族も、目の前のことで「いっぱいいっぱい」になるし、そういう時は子供はとにかく「お留守番」ですから、まさに「蚊帳の外」ですね。
でも、子供は敏感ですよね。何か大変なことが起きていると、大人から察知しますよね。だからこそきちんとお留守番をするのだと思います。
我が家だったら、大切なことだから、きちんと専門家から子供に分かりやすく事実をお話して頂くことをお願いすると思います。
何も知らないままの方が可哀想だと思っています。
だって家族ですから。小さくても、小さいなりに理解します。
でも、このように考える親・大人はまだまだ少ないかもしれませんね。
返信する
大変重要なことと、思います。 (ぴょん)
2009-12-26 15:51:31
お久しぶりでございます。

お子さんたちへの病状説明や、コミュニケーション。。。大変大切なことと思います。


3歳は、3歳なりに。。。

20歳は20歳なりに。。。


8月頃より母が、11月中旬から父がちょっとドカッと煩ってしまい、年内は、私、病院ボランティアを休ませていただいていますが。。。


ボランティア先では、情報コーナーを数ヶ月前から、新設し、病気関連の書物と同時に、子供たちにどう伝えるかなどの絵本なども用意しながら、少しずつ。。。。
ボランティアの立場からは、お手伝いさせていただいています。
返信する
コメントありがとうございます (aruga)
2009-12-27 15:25:11
PANDAの妻さん
大人達、子供達、お書きくださったこと、まさしくその通りだと感じています。
子供達を一人の人として尊重できること、これは、そこまでの家族の関わり方によってくるため、急に変われない家族が沢山いらっしゃるなあと思います。

ぴょんさん
時々、ブログ、お邪魔させて頂いています。
ぴょんさんがボランティアをして参加されている病院、本当に充実していますよね。
沢山の方々の心意気を感じます。
時々、私も仕事で立ち寄らせて頂くのですが、子供たちにも優しい病院だなあとつくづく感心しています。
返信する

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