緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

新しい春

2023年04月02日 | つれづれ
大学の沢山の教育プログラムを一つの流れに整理するー体系化するために膨大な仕事をしてくださった医師がいました。

あまりの仕事の多さ、集中に、他の医師にそれは移り、その医師の仕事は軽減されましたが、次第にそのプロジェクトから離れた形になってしまいました。



数年ほど経過しました・・
2か月ほど前、帰宅しようと乗ったエレベーターで久しぶりに一緒になって、挨拶したのもつかの間。

この3月で辞めるんです。

えっ・・
その次は・・

地域医療に専念しようと思って、大学は辞めて、開業することにしました。



医学教育、血液内科の専門医でした。
一部からは、その医師の能力、もっている力を発揮できる環境ではなくなった(干された)とささやかれていました。

もやもやがないわけではなく、残る者にとって一緒に苦労した人との別れは小さくない喪失体験です。



寂しくなりますね・・

地域には、貧血の人が少なくなくて、若い人の貧血も高齢者にとっても見落とされてはいけないことですし、元気に健康に、皆が過ごすことをサポートできるといいなと思います。
地域の医療者にアプローチすることも大切なことですしね。


(専門医、教育者らしいなあ・・)


 


能力高い人であっても、その人にとっての適所とは、その時々、時代や環境で変わっていくもので、新しいチャレンジは、何歳になっても、訪れるし、作り出してもよいものなのだとつくづく思いました。




あった土壌に移って、新しい芽を出して、花を咲かせ、沢山の種が出来きて、その種がまた花を咲かせる・・・

職を辞することは、失うことではなく、発展的なこと・・
新しい一歩です。




もう散り始めた染井吉野の桜を見つめながら、これまでの感謝を胸に、ご活躍を祈り、変わらず応援していこうと心に刻みました。

Jill WellingtonによるPixabayからの画像 

コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ティフル)
2023-06-30 01:13:34
久しぶりに先生のブログに伺いました。
長くつとめた職場を辞める決断をしたところです。
職場への疑問、やりがい
家族のこと、今後の人生
なにより自分の看護観を大事にしたいと
大きな決断をしました。

「職を辞することは、失うことではなく、発展的なこと・・
新しい一歩です。」

ありがとうございます
一歩進み出せそうです。
つらいときに先生の言葉に
いつもそっと背中を押して頂けます。

一緒にお仕事できたあの頃
私の大事な宝物です。
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Unknown (e3693)
2023-07-01 13:44:48
ブログへのコメント、ありがとうございます!
次の一歩を踏み出そうとされているのですね。

読み進めて、最後の一文で立ち止まってしまいました。

どなただろう…

aruga
返信する
Unknown (ティフル)
2023-07-08 22:07:13
コメント見て頂いて
ありがとうございます。
某クリニックでご一緒させて頂いた看護師です。
いつか感謝をお伝えしたいと思いながら
また先生に救われました。

いつまでも私の憧れてす。
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