プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

イラク・サマワの自衛隊

2005-10-20 21:55:58 | 政治経済
10月20日付「赤旗」が7月下旬の一週間イラク・サワマを取材した綿井健陽(わたいたけはる)さんへのインタビュー記事を載せている(インタビュアー児玉記者)。綿井さんによれば、「自衛隊の人たちはいまサマワで何をやっているのか」と日本各地でよく尋ねられるが、サマワに行っても同じ質問がサマワ市民から出るとのこと。自衛隊の人たちが、宿営地の外で活動する、数、場所、内容があまりに少ないので、サマワ市民に活動の実態が実感できないようだ。自衛隊の宿営地に行くと、ゲートにいる受付の自衛隊員が「いまサマワの街はどうなっているのか」ときいてきたとのこと。
サマワ市民の要求は、以前から「電気」「水」「仕事」であるが、どれも事態がよくなったとはいえず、「今の状態のままの駐留なら、自衛隊は必要ない」という人が、増えているようだ。現地の「日本友好協会」の元会長が経営する宝石店が7月24日爆破された。店の前には“日本の友人の皆様にイラク人を代表して親愛のメッセージを送ります”と日本語とアラビア語で書かれた大きな横断幕が掲げられていたということで、自衛隊との友好を象徴する店が狙われたのは偶然でないだろうと綿井さんは、語っている。
綿井さんよれば、「基本的にいまのイラクの中で軍隊組織が何かできることというのは無いにひとしい」、日本の支援で効果的に役立っているのは、NGOがやっている医薬品供給支援であり、NGOの活動を拡大するためには、軍隊組織である自衛隊の撤退が必要である。なぜなら、いまのイラクでは軍隊組織の周辺は攻撃の対象になり、民間活動を拡大できないということである。
自衛隊のイラク派遣期限は12月14日である。アメリカに忠誠を誓って、国税を使い、600人もの自衛隊員を駐留させておく理由と意義はあるのか。綿井さんの取材結果が自ずから明らかにしているではないか。


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