プロメテウスの政治経済コラム

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「慰安婦」問題  一刻も早い解決を! 「オール連帯ネットワーク」

2007-12-01 21:05:28 | 政治経済
「『慰安婦』問題解決オール連帯ネットワーク」略称「オール連帯」)は11月30日、一刻もはやい解決を求め、日本政府の明確な謝罪と立法による補償、国会で公聴会を開催することなどを日本共産党の国会議員団に要請した(「しんぶん赤旗」12月1日)。「慰安婦」被害者はすでに老齢化しており、「被害者が生きているうちに真の解決を!」-これが被害者当事者はもちろん、歴史の教訓を未来に生かしたいと願うすべての人びとのいまの切なる思いである。

「慰安婦」問題が日本のアジア侵略戦争の歴史の闇から浮上して17年が経った。この間、各国の被害者は解決を求め続け、各国の団体・個人や日本国内の心ある人びとがそれを支援してきた。しかし、10件の裁判は殆どが敗訴し、「海南島裁判」」を残すのみとなったが、立法不作為で勝訴した判決や、立法的・行政的解決を求める付言判決も出されている。また、国連機関・ILO等の勧告や女性国際戦犯法廷の最終判決(オランダハーグ判決)などが、「慰安婦」問題の解決を日本政府に対し繰り返し求めてきた。ところが、日本政府は、いまに至るまで被害者に対して心からの謝罪と正当な補償を行なっていない。また、教科書から「慰安婦」に関する記述が削除されたことに対して何の対応もせず、「強制性はない」などの妄言を野放しにしている。これは、日本政府による被害者の人権の新たな侵害であり、被害者の心を二重に苦しめている(「オール連帯」HP)。
「慰安婦」問題は、今年に入って、一定の進展があった。米下院の「慰安婦」決議案が本会議で採択され(7月)、オランダ(11月8日)続いてカナダ(11月28日)の下院でも同様の決議案が採択された。オーストラリア・フィリピンでも同様な決議案が議会に上程されるなど、「慰安婦」問題が重大な人権問題であるとの認識が国際的に広がってきた。

「慰安婦」制度は、旧日本軍の侵略戦争遂行上の兵士対策の一環として計画され、軍の管理のもとに運営されたことは、はっきりしている。性病、強姦、軍情報の漏洩防止がその主な目的であった。戦闘地域ではオチオチ落ち着いて淫売宿を利用することもできなかったであろう。
旧日本軍の戦争犯罪は、もちろん「慰安婦」問題だけではない。沖縄の人びとに対する「集団自決」強制もそのひとつである。天皇制国家の臣民には「人権」はなかった。戦闘に駆りたれられた一般兵士が狂気となり、戦争中といえども許されない多くの人権蹂躙犯罪を惹き起こしたであろうことは、容易に想像がつく。問題は未来のために、そこからどのような教訓をひきだし総括するかである。
戦争で儲かる支配層は、人民を番犬として再び動員したいと思っている。彼らにとっては、侵略戦争の歴史から、他国民の人権を蹂躙することも、自分の人権を蹂躙されることも二度とあってはならい―二度と戦争をしてはならないという教訓を人民が引き出すことは避けなければならない。戦争の記憶は、できるだけ早く忘れてもらいたい、戦時中にあったことは、そんなに悪いことではない、卑下しなくてもよいということになる。

これまで「慰安婦」問題の解決をめざし活動してきた研究者・議員・支援団体・弁護士・市民・学生など、「慰安婦」問題の解決を求めるあらゆる団体・個人が連帯し、世界の支援団体・個人とも連携して「慰安婦」問題の解決をめざそうと11月17日、「『慰安婦』問題解決オール連帯ネットワーク」が立ちあげられた。
戦争に特別の利益をもたない人民は、歴史の真実に向き合うことができる。だから、アジアをはじめ世界の人民とも連帯することができる
「慰安婦」被害者は非常に高齢になっている。彼女たちは戦後も自国内で差別を受け、二重三重の被害にあっている。余命少ない被害者が納得のいく解決を一刻も早く急なければならない。日本政府を選ぶ立場にあるわれわれは、政府の明確な謝罪と立法による補償、国会での「公聴会」の開催、国会での謝罪決議、歴史教育などを通じての再発防止措置などを実現しなければならない。

「その国の政治がアホなのは,国民がアホだからだ」とは言われたくないものだ。

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