プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

キティホーク米兵 今度は殺人事件

2006-01-06 17:17:22 | 政治経済
昨年12月、東京・八王子市での小学生ひき逃げ事件に続き、またしてもキティホーク米水兵が1月3日、殺人事件を起こし、基地内に逃げ込んでいます。ひき逃げ水兵の場合は、公務中との名目で米軍は身柄引き渡しに応じていません。日頃は弱者には勇ましいことを言う石原都知事も身柄引き渡し要求をしていません。小泉首相の地元で起きた今度の殺人事件について日本政府の対応が注目されます。中国、韓国にはえらそうに言う小泉首相は、「日米地位協定の改定は考えてない。信頼関係に基づき、その事案ごとに話し合って解決していきたい」と早くも腰砕けです。
神奈川県横須賀市での女性会社員殺害事件で、犯行を認めた米兵の身柄引き渡しの根拠となる日米地位協定には、大きな問題があります。地位協定17条は、「公務外」の米兵が基地の外で犯罪をおかしても、基地内に逃げ込めば、日本側が起訴するまでは米側が身柄を確保できることを規定しています。 1995年の沖縄での米兵による少女暴行事での国民の批判をきっかけに日米両政府は、同条の「運用改善」で合意しました。しかし、その内容は、「殺人又は強姦という凶悪な犯罪」に限り、日本側からの起訴前の身柄引き渡し要求に対し、米側が「好意的な考慮を払う」というものです。なんのことはない。結局は、米側の判断任せです。
米兵が刑法犯で検挙された数は、1973年以降で6933件に達しています(2004年まで)。このうち約一割にあたる683件が、殺人や強盗、放火、性的暴行といった凶悪犯です(日本共産党の赤嶺政賢衆院議員の要求で警察庁が提出した資料から)。 2000年から04年までの過去5年間の刑法犯の検挙数をみても461件です。このうち凶悪犯は31件に及んでいます。
米空母キティホーク乗組員による日本人女性殺害事件が起きた現場は、神奈川県横須賀市の京浜急行・横須賀中央駅に近い商店街「米が浜通」の雑居ビルでした。周辺の住民からは「またか」「米兵であっても日本で起こした犯罪なんだから、早く容疑者を日本に引き渡し、国内法で対処してほしい」という声があがっています。基地被害に反対する運動がひろがっているなか、あらためて米軍基地の危険を浮き彫りにするものです。私たちは、小泉、石原の弱腰を批判するとともに、米兵の引き渡しと日本側による厳正な捜査と処罰、遺族への謝罪・補償、再発防止を要求しましょう。日米地位協定の抜本的な改定と米軍基地の撤去の声を広げましょう。


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