プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

記録的大雪―除雪作業に国の支援を

2006-01-07 18:12:07 | トピックス
日本列島上空に流れ込んだ氷点下40度前後の寒気の影響による記録的大雪で、12月以降の死者は全国で53人、重軽傷760人(消防庁調べ、6日現在)という大きな被害が続いています。雪は今後もどれぐらい降るかわからない状況で、住民は除雪対策に頭を痛めています。除雪を要望する市民の対応に追われる自治体は、除雪対策予算をすでに使いきり、予備費の投入でもまかないきれない深刻な事態となっています。
山形県市長会は「豪雪による道路の除雪費が増し、地方自治体の財政運営に重大な支障となっている」として、5日付で市道の除雪費への臨時国庫補助などを求める要望書を政府に出しました。山形市は、除雪費の予算3億3千5百万円をすでに使い果たしたとのことです。山形県新庄市も、除雪費の予算1億5千万円のうち1億1千2百万円をすでに執行。秋田県男鹿市でも除雪費の当初予算6千5百万円をほぼ使い果たしました。豪雪地帯の市町村はみな同じような状況に置かれています。
気象庁は10月末の3カ月予報(12月―2月)で「気温は平年並みか、高め」とし、北陸の降雪量が「多い」確率は20%と予測していました。また、11月末の3カ月予報でも「12月の気温は平年並みかやや寒いが、1月は高い」としていました。
予報がはずれて記録ずくめの大雪になった理由について、気象庁は、北極で寒気が蓄積と放出をくりかえす「北極振動」という現象と、気温変化に大きな影響を及ぼす偏西風(北極を中心に西から東へ吹く風)が南側に大きく蛇行した現象とが結びついた結果だと言います。南に大きく蛇行した偏西風は「北極振動」で流れ出した寒気を日本列島にひきこむかたちになり、この寒気が日本海で水蒸気が供給され、積乱雲が大きく発達したところに放出され、湿った重い雪を大量に降らせたのです。北極振動と地球温暖化の関係、偏西風大蛇行のメカニズムなどの解明はすべて今後の課題です。
新潟県は6日、同県十日町、妙高、南魚沼、湯沢、津南の5市町に災害救助法を適用することを決めました。雪下ろしなどの救助費を国と県が折半することになるため、市町村の負担が軽減されます。小泉首相は6日、首相官邸で沓掛防災相と会い、日本海側を中心とした記録的な豪雪を受け、「使えるものはみんな使って対策に全力を挙げてほしい」と語り、被災地への自衛隊派遣の検討や、災害救助法の適用を決めた県との連携を強化するよう指示しました。雪下ろしができず家屋倒壊の恐れのある高齢者世帯や自己の資力、労力では除雪ができない世帯への援助は緊急を要します。米軍に思いやり予算を2千数百億円も費やすくらいなら本当に困っている人々に使うべきです。




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