プロメテウスの政治経済コラム

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ガザ支援船をイスラエル軍が攻撃  国際社会はいつまでイスラエルの無法を許すのか!

2010-06-01 17:37:14 | 政治経済
2008年12月から2009年1月にかけて、オバマ大統領の就任を目前にして、イスラエル軍はパレスチナのガザ地区を猛爆した。1400人が死亡、5000人が負傷し、そのうち40%が女性と子どもだと言われている。そして海も陸も境界封鎖され、周囲をフェンスと地雷で囲まれたガザ地区では物資が不足し、住民の日常生活も戦災復興もままならない。今回、見かねた国際支援船団がガザに向かったが、イスラエル軍が船団を急襲した。国際支援船6隻は拿捕され、31日午後イスラエル南部アシュドッド港に曳航された。イスラエル軍によると乗船していた人権団体の活動家9人が殺された。イスラエルがこのような無法を繰り返すのは、アメリカが後ろ楯となってイスラエルを特別に庇護し、ヨーロッパ諸国がそれを見て見ぬ振りをして容認しているからである。国際社会はいつまでイスラエルの無法を許しておくのか!

 イスラエル軍がパレスチナのガザに向かう国際支援船団に武力行使し、トルコ人ら多数が死傷した問題で、国連安全保障理事会は31日、トルコの要請で緊急会合を開催。同国と安保理議長国のレバノンはイスラエルを非難し、国連による独自調査実施を求める議長声明を直ちに採択するよう求めた。 トルコのダウトオール外相は「国家による殺人行為」と、イスラエルを激しく非難。英国のグラント国連大使も「イスラエルはこれだけの死傷者の説明責任がある」と指摘、フランスも国際調査実施に賛同した。これに対し、イスラエルのカルモン国連次席大使は「船団はテロリストと関係があった」とあらためて主張。米国のウルフ国連次席大使は国際調査には触れず「イスラエルによる完全調査」を促した(「東京」2010年6月1日 夕刊)。
安保理では、今回の事態を非難する議長声明を出す方向で協議が続いているということだが、国連外交筋によると、イスラエルを直接非難したいトルコなどと、名指しは避けたい米国との間で協議が続いている、という(毎日新聞 2010年6月1日 東京夕刊)。
いつもそうなのだ。国際社会がイスラエル批判をしようとしてもアメリカが妨害する。ヨーロッパ諸国はそれを見て見ぬ振りをし、そしてパレスチナはやがて人びとから忘れられ、イスラエルの無法が繰り返される。

31日、イスラエル軍が提供したビデオに映るパレスチナ支援団体の船。船団を急襲したヘリの姿も見える=AP(「毎日」2010年6月1日13時07分より)

ガザ支援船団とイスラエル軍の衝突をめぐりニューヨークで抗議デモを行う人々(CNN2010.06.01より)

最近、私はパレスチナ人弁護士ラジ・スラーニ(Raji Sourani)さんの講演を聞く機会があった。彼は、イスラエルによる占領民への人権侵害を告発し、自らも拘禁・拷問の被害を受けてきた。1988年アムネスティ・インターナショナルより「良心の囚人」と認定。米ロバート・ケネディ平和賞、フランス人権賞、オーストリア人権賞などを受賞している。
イスラエルがガザを占領した67年(第三次中東戦争)に14歳。「暴力、破壊を日常的に見て育った」。拷問されても活動はやめない。「私は公正で法にかなった利益を守っている。このことが私に力を与えてくれる」
「(イスラエル軍によるガザ地区猛爆)から1年半。イスラエルの人道犯罪に対し、何の行動もとられていない。結果として、パレスチナに国際人道法は適用されないというメッセージになっている。これは、恥だ」
彼は、何百人ものパレスチナ人政治囚の弁護をしてきた鍛えられた弁護士であり、未来に確信をもつ穏やかな人物であるが、国際社会の怠慢について手厳しい。私個人は無力だが、アメリカ=イスラエルの無法がパレスチナ人の人権をいかに蹂躙しているかに目をつぶることなく、できる限りの支援をしていきたい

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