小泉政権五年を総括する朝日新聞「社説」(7月27日)が小泉首相を「国民の生活を安定させ、より豊にする」「経世済民」をやった政治指導者だと天まで持ち上げています。出遅れた日本の「構造改革」を果敢に進めた小泉改革に高い支持が集まったのは当然だと言います。「構造改革」の階級的本質を覆い隠し、小泉を応援してきた「朝日」は、ついに現実を見ることもできないところまで落ち込みました。
全労連第22回定期大会の挨拶に立った志位・共産党委員長は小泉「構造改革」によってもたらされた職場の現実を次のように告発しています(「赤旗」2006年7月27日)。
私たち、日本共産党は、四月に全国の職場支部の代表が参加して、「職場問題学習・交流講座」を開きました。この会議で、私たちがあらためて痛感したのは、労働法制の規制緩和と財界・大企業の職場支配が重なって、正規労働者でも、非正規雇用労働者でも、民間大企業でも、公務労働でも、雇用と労働条件の異常な悪化がすすみ、戦後日本の歴史のなかでも、こんなにも人間らしい労働のあり方が破壊されているときはないということでした。
7月23日にNHKスペシャルで、「ワーキングプア―働いても働いても豊かになれない」と題する特集番組が放映されました。「ワーキングプア」とは、働いているのに生活保護水準以下の暮らししかできない人たちで、日本の全世帯の十分の一以上、四百万世帯以上ともいわれています。番組では、国民のあらゆる階層で貧困がすすみ、それがつぎの世代へと引き継がれていく深刻な実態を映し出していました。
『週刊エコノミスト』の7月25日号では、「ここまで来た“働かされ過ぎ”―過労死大国」という大特集を組みました。この特集では、過労による労災申請数は、2005年度は、脳・心臓疾患・精神障害あわせて1525人、そのうち死亡が483人と、どちらも過去最悪となっているとしています。「過労死」の原因が、成果主義や裁量労働制が拡大するなかで、果てしない長時間労働がおしつけられていることにあること、正社員だけでなく派遣・請負労働などでも「過労死」がひろがっていることを、この特集では、告発しています。
一方で、一握りの錬金術師がぬれ手で粟(あわ)の大もうけをしながら、他方で「ワーキングプア」と「過労死」という言葉に象徴される痛ましい事態が働くものを襲っているのです。
これが「朝日」が礼賛する小泉「改革」による大企業の利益回復、日本経済の景気回復の実態です。
小泉「構造改革」とは、大銀行・大企業に惜しみなく財政・金融支援を行い、労働者・中小企業者・社会的弱者にすべての犠牲をかぶせながら、「日本経済」を再活性化させることでした。「景気」が回復してもそこに待っているのは、アメリカ社会のように不安と不平等の社会であり、多くの人々にとって生きにくい社会です。さらに加えて、多くを稼ぐことが人間の価値であるといった倒錯した価値観が支配する社会(山家悠紀夫「暮らしと経済教室」主宰)でもあります。
大銀行・大企業に惜しみなく注ぎ込んだ財政・金融支援のしわ寄せによる社会保障・福祉の破壊は社会的弱者の「自殺」、「餓死」を生むところまで来ています。「朝日」はこの現実に目を瞑るつもりなのでしょうか。
「裁かれているのは被告だけではない。日本の介護制度や生活保護制度のあり方が問われている―。認知症のお母さんをあやめた男性の事件(今年2月、判決は7月21日)を担当した裁判長(京都地裁)の判決後の説諭です」「秋田県では、生活保護の申請を二度にわたり却下された男性が、24日早朝、福祉事務所前で自ら命を絶つという、痛ましい事件が起きました。『おれの犠牲で福祉がよくなってほしい』という言葉を残しての、抗議の自殺だったとみられます」「電気、水道、ガスを止められた男性が、福祉事務所で生活保護の申請書すらもらえずに帰され、その後餓死するという、北九州市で起こった悲痛な事件は、行政の怠慢として、大問題になっています」(「赤旗」2006年7月27日)。
“小泉首相は、「経世家」の面目をほどこした”という「朝日新聞」は、社会の公器として無責任を通り越し、犯罪的です。
全労連第22回定期大会の挨拶に立った志位・共産党委員長は小泉「構造改革」によってもたらされた職場の現実を次のように告発しています(「赤旗」2006年7月27日)。
私たち、日本共産党は、四月に全国の職場支部の代表が参加して、「職場問題学習・交流講座」を開きました。この会議で、私たちがあらためて痛感したのは、労働法制の規制緩和と財界・大企業の職場支配が重なって、正規労働者でも、非正規雇用労働者でも、民間大企業でも、公務労働でも、雇用と労働条件の異常な悪化がすすみ、戦後日本の歴史のなかでも、こんなにも人間らしい労働のあり方が破壊されているときはないということでした。
7月23日にNHKスペシャルで、「ワーキングプア―働いても働いても豊かになれない」と題する特集番組が放映されました。「ワーキングプア」とは、働いているのに生活保護水準以下の暮らししかできない人たちで、日本の全世帯の十分の一以上、四百万世帯以上ともいわれています。番組では、国民のあらゆる階層で貧困がすすみ、それがつぎの世代へと引き継がれていく深刻な実態を映し出していました。
『週刊エコノミスト』の7月25日号では、「ここまで来た“働かされ過ぎ”―過労死大国」という大特集を組みました。この特集では、過労による労災申請数は、2005年度は、脳・心臓疾患・精神障害あわせて1525人、そのうち死亡が483人と、どちらも過去最悪となっているとしています。「過労死」の原因が、成果主義や裁量労働制が拡大するなかで、果てしない長時間労働がおしつけられていることにあること、正社員だけでなく派遣・請負労働などでも「過労死」がひろがっていることを、この特集では、告発しています。
一方で、一握りの錬金術師がぬれ手で粟(あわ)の大もうけをしながら、他方で「ワーキングプア」と「過労死」という言葉に象徴される痛ましい事態が働くものを襲っているのです。
これが「朝日」が礼賛する小泉「改革」による大企業の利益回復、日本経済の景気回復の実態です。
小泉「構造改革」とは、大銀行・大企業に惜しみなく財政・金融支援を行い、労働者・中小企業者・社会的弱者にすべての犠牲をかぶせながら、「日本経済」を再活性化させることでした。「景気」が回復してもそこに待っているのは、アメリカ社会のように不安と不平等の社会であり、多くの人々にとって生きにくい社会です。さらに加えて、多くを稼ぐことが人間の価値であるといった倒錯した価値観が支配する社会(山家悠紀夫「暮らしと経済教室」主宰)でもあります。
大銀行・大企業に惜しみなく注ぎ込んだ財政・金融支援のしわ寄せによる社会保障・福祉の破壊は社会的弱者の「自殺」、「餓死」を生むところまで来ています。「朝日」はこの現実に目を瞑るつもりなのでしょうか。
「裁かれているのは被告だけではない。日本の介護制度や生活保護制度のあり方が問われている―。認知症のお母さんをあやめた男性の事件(今年2月、判決は7月21日)を担当した裁判長(京都地裁)の判決後の説諭です」「秋田県では、生活保護の申請を二度にわたり却下された男性が、24日早朝、福祉事務所前で自ら命を絶つという、痛ましい事件が起きました。『おれの犠牲で福祉がよくなってほしい』という言葉を残しての、抗議の自殺だったとみられます」「電気、水道、ガスを止められた男性が、福祉事務所で生活保護の申請書すらもらえずに帰され、その後餓死するという、北九州市で起こった悲痛な事件は、行政の怠慢として、大問題になっています」(「赤旗」2006年7月27日)。
“小泉首相は、「経世家」の面目をほどこした”という「朝日新聞」は、社会の公器として無責任を通り越し、犯罪的です。