プロメテウスの政治経済コラム

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米朝首脳会談 トランプ氏が来月12日の会談中止を示唆 大いにあり得ること

2018-05-23 17:22:23 | 政治経済

米国のトランプ大統領は、韓国の文在寅大統領との会談で、米朝首脳会談について「6月12日に開かれない可能性がある」と言及した。NHKによると、トランプ氏は米朝会談について「求める特定の条件が実現しなければ会談は行わない」として、非核化などをめぐって溝が埋まらなければ会談の延期もありうると述べた。

これは大いにあり得ることだ。米帝国主義にとって、朝鮮半島の冷戦構造を維持することは、中東でパレスチナ・アラブとイスラエルの対立を維持するのと同じようにその世界支配戦略の要であるからだ。北朝鮮は、昨年11月29日、「火星15」が53分も飛行(米露間のICBMの飛行時間は30分ないし40分)、米国全域に届きうる能力を示した直後、「核武力の完成」を宣言したが、これで米帝国主義が悔い改めたとはとても思えない。

米国のタカ派議員はトランプ大統領に先制攻撃を勧め、トランプ大統領は「それをやれば多くの死者が出る。ただそれはあっち(日本、韓国)で、こちら(米国)じゃないがね」と応じたと報じられた。アメリカと北朝鮮の国力の差は圧倒的である(米国のGDPは北朝鮮の1000倍以上)。同盟国の韓国、日本に夥しい犠牲が生じることを覚悟さえすれば、アメリカが北朝鮮を叩き潰すことは、赤子の手をひねるようなものだ。

冷戦構造を維持するのは、米国支配階級(軍産複合体とウォール街)の意思である。トランプ大統領がひとり燥ぐ問題ではないのだ。

 


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