裁量労働制をめぐる厚労省のデータ“捏造”問題の疑惑は拡大する一方だ。一刻も早く法案提出を断念するべきなのに、安倍首相や加藤厚労相はいまだに法案提出に固執している。なぜそこまで財界要求に忠誠を誓うのか。
裁量労働制の適用拡大を含む労働法制関連の議論は、経済財政諮問会議や産業競争力会議などを踏まえ、安倍政権が2013年6月14日に閣議決定した「日本再興戦略」がスタートだ。そこには《企画業務型裁量労働法制をはじめ、労働時間法制について、早急に実態把握調査・分析を実施し、本年秋から労働政策審議会で検討を開始する》とあり、同時期に閣議決定された規制改革会議の規制改革実施計画でも〈企画業務型裁量労働制やフレックスタイム制等労働時間法制の見直し〉が盛り込まれた。
経済財政諮問会議、産業競争力会議(16年9月廃止)、規制改革会議の所管はいずれも内閣府で、経済財政諮問、産業競争力の両議長は安倍だ。3会議とも財界関係者が委員に名を連ね、労働者団体の代表はほぼ皆無。何のことはない。最初から官邸と財界主導で結論ありきの議論が進められてきたワケで、安倍本人も“捏造”データの答弁直前に〈岩盤規制に穴をあけるには、やはり内閣総理大臣が先頭に立たなければ〉と威張っていた。(http://www.asyura2.com/18/senkyo240/msg/509.html)
安倍首相は労働者の健康や命よりも財界との約束の方が大事なのだ。だから法案提出に固執するのだ。