プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

イラク戦争と在日米軍基地

2006-05-06 22:02:27 | 政治経済
「カウペンス、イラクの自由作戦で最初のミサイルを発射」(米軍横須賀基地機関紙「シーホーク」03・3・28号)。2003年3月20日午前(日本時間)。テレビ画面に映し出された、夜空を焦がすミサイルの閃光を覚えていると思います。「衝撃と畏怖」作戦と名づけられた対イラク先制攻撃の第一波に参加したミサイル巡洋艦の一隻は、横須賀基地から出撃した“カウペンス”でした。在日米軍が「日本を守る」ためではなく、米国の世界戦略にもとづいて、地球的規模で展開していることを如実に示すできごとでした。

在日米軍基地からイラクに派兵された代表的な部隊は、横須賀及び米海軍厚木基地を拠点とする空母キティホーク戦闘群(第五空母群)でした。
空軍からは、青森三沢基地の第35戦闘航空団からF16戦闘機10機、沖縄嘉手納基地のF15戦闘機10機が派兵されました。
03年8月までに在日米軍からイラクに出撃した派兵総数は約一万人におよびました。

04年になると今度はイラク軍事占領に動員される部隊が相次ぎました。
3月には沖縄海兵隊約3千人がファルージャに派兵されました。こうして、日本は自己の意思にかかわらず、ファルージャの虐殺に加担することになりました。沖縄海兵隊からも13人の戦死者がでました。
8月には、歩兵部隊、へり部隊、後方支援部隊から構成される第31海兵遠征隊(31MEU)約2千人が出撃しました。これには岩国基地のへり部隊も参加しました。米海兵隊普天間基地所属のへりCH53Dが派兵直前の点検飛行で沖縄国際大学校舎に激突する事故を起こしたことは記憶に新しいところです。
31MEUは04年11月から05年2月までファルージャなどアンバル州の最前線にたち、住民虐殺を繰り返しました。31MEUは50人の戦死者を出しています。

イラクには現在も三沢基地から300人、横田、嘉手納の各基地から各100人の要員がイラク各地に派兵されています。陸軍を除く在日米軍の主要基地はすべて、イラク戦争とその後の軍事占領に関与しています。

「米本土以外の空母戦闘群の母港は、世界で唯一、横須賀だけであり、われわれにとって死活的である。さらに、沖縄の海兵隊は、世界的な役割を果たす戦力投射部隊である」(91年のチェニイー国防長官(当時)の証言)
いま、アメリカは介入・干渉、侵略が専門の在日基地を強化・恒久化し、自衛隊を目下の同盟者としてこれに巻き込もうとしているのです。日米軍事同盟の実態をリアルに見るときです。日本の支配階級の悪乗りを許してはなりません



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