プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

「すべての国に朝鮮への制裁中断を求める」 ロシア外相

2018-12-30 18:48:23 | 政治経済

ロシアのラブロフ外相が24日(現地時間)、スプートニクとのインタビューで「国連安保理の対北朝鮮制裁を緩和すべきだ。」また、「ロシアはすべての国に対し、朝鮮への一方的な制裁を可能な限り早く中断することを求める。このような制裁は、当事国間の信頼醸成及び問題解決のためにならない。」と強調した(http://www.koryojournal.news/?p=2351)。

北朝鮮の核問題を解決する過程で制裁という手段は、どれほど効果的なのだろうか?

米国は(北朝鮮が)非核化するまでは制裁を維持すると言い、9月1日付けで北朝鮮に対する旅行禁止措置を再び延長した。果たして制裁の維持は、朝米関係にどのように作用するだろうか? まず、制裁は6月12日シンガポール首脳会談で朝米両国が合意した「新たな関係」にふさわしくない。制裁は力で解決する過去のアプローチであるからだ。「制裁を維持する」ということは、「関係正常化をしない」という宣言に他ならない(http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/31536.html)。

確かに、交渉を有利に進めるために、制裁を維持することも考えられる。制裁は北朝鮮経済に否定的影響を及ぼす。2017年下半期に採択された国連の対北朝鮮制裁は包括的かつ具体的であるため、昨年より今年は(北朝鮮の状況は)さらに深刻になるだろう。制裁は経済建設に集中しようとする北朝鮮を圧迫する手段であるのは間違いない。だからこそ、交渉力を高められるわけだ。

しかし、制裁を続ければ、失うものがある。他ならぬ信頼だ。朝米首脳会談で「信頼構築で非核化を成し遂げよう」と合意した理由は、「力に基づいた過去のアプローチ」が失敗したからだった。新たな関係、新たな出発、新たな歴史に合意しておいて、失敗した過去を繰り返すのでは意味がない。米国が朝米共同声明の履行に背をむけ「先非核化、後制裁緩和」で突き進むなら朝米対立の再燃は避けられない。

制裁は手段であって、目的ではない。制裁という手段に執着して非核化という目標を失ってはならない。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。