プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

第3次小泉改造内閣

2005-11-01 22:07:25 | 政治経済
第三次小泉改造内閣が発足した。マスメディアは“小泉後継”者の処遇問題を面白おかしく囃しているが、問題はこの内閣が推進する政治の中身と配置された大臣の資質である。小泉構造改革とは、地方切捨ての「三位一体改革」や住民サーヴィス低下の公務員削減等の「行財政改革」、福祉を金で買わせる「社会保障改革」、庶民大増税の「財政再建」などが主な柱である。さらに世界で米軍とともに戦うための米軍再編・基地強化、憲法改悪がアメリカ政府・日本財界がこの内閣に求める主要課題として加わる。これらの反国民的政治の中身をどのような資質の大臣が担うのか。主な大臣の言行録を見てみよう。(「赤旗」2005.11.1記事より抜粋)
①安倍官房長官・・・自民党新憲法起草委員会で改憲案づくりの先頭に。現憲法を「戦後の呪縛」「絶対変えるべきは9条」と敵視。北朝鮮問題では経済制裁の発動を強く主張。首相の靖国参拝を当然のこととし、自分も参拝を続ける意思。
②麻生外相・・・自民党政調会長、総務相として郵政民営化や「三位一体改革」など小泉「改革」の忠実な旗振り役を務める。改憲右翼団体の日本会議と連携する日本会議国会議員懇談会の会長。「憲法を守って国が滅びたのでは本末転倒」と主張。「創氏改名は朝鮮の人たちが『名字をくれ』と言ったのが始まりといって憚らない人物。
③竹中総務相・・・学者としての実績はないが、アメリカの回し者といわれるくらい新自由主義に心酔した小泉「改革」の象徴的存在。
④中川農水相・・・「日本の前途と歴史教育を考える会」代表。NHK番組の従軍慰安婦問題で番組内容にクレームをつけたことで有名。牛肉偽装事件の浅田ハンナングループとは献金を受ける仲。
⑤額賀防衛庁長官・・・「集団的自衛権を行使しないのはわが国の一つの問題点だ」という意見の持ち主。自民党安保調査会長として米軍再編・基地強化交渉を推進。
⑥与謝野金融・経済財政担当相・・・党政調会長として、増税路線を推進。最近党財政改革研究会会長として消費税の10-15%税率化を求めた中間報告をまとめる。
⑦谷垣財務相・・・総選挙が終わった途端に定率減税の廃止、消費税アップなどに言及。財務相として医療費抑制や社会保障削減に積極的。
31日の記者会見で「新内閣のネーミング」について訊かれた共産党の市田書記局長は、悪政を強力に推進する人物で要所を固めているという意味で『悪政推進の適材適所内閣』だと皮肉った。公約違反の増税に対する国民の怒り、地元住民を無視した一方的な基地強化に対する自治体ぐるみの反対運動、憲法9条を守れの声をいっそう強めよう。
あと任期10ヶ月の小泉内閣にやすやすと「構造改革」の総仕上げをやらせてはならないのだ。



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