プロメテウスの政治経済コラム

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安倍改造内閣  身ぎれいになって出直したのウソ  政権を担う資格なし!

2007-09-02 18:57:19 | 政治経済
安倍首相が参院選後の内閣改造に一カ月もの時間を要したのは、新たに任命した閣僚のなかから再び政治資金にかかわる疑惑が噴き出せば政権の命取りにもなりかねないと、閣僚候補の身辺を洗う「身体検査」を入念にしたからの筈ではなかったのか。
ところが、改造内閣がふたを開けたとたん▽組閣当日に過去にさかのぼっての政治資金収支報告書訂正を届け出た岸田文雄沖縄・北方担当相▽地元の事務所の建物を不動産登記していなかった額賀福志郎財務相▽国会の議員会館に資金管理団体の主たる事務所を置きながら過去3年間で3千万円もの事務所費を計上していた高村正彦防衛相▽農水省所管法人から補助金を受けている団体から不適切な献金を受けていた遠藤武彦農水相…という具合、「出るわ、出るわ」とあきれるばかりである(「しんぶん赤旗」9月2日)。

遠藤武彦農相が組合長を務める「置賜(おきたま)農業共済組合」(山形県米沢市)が99年、自然災害による農作物被害などを補償する公的保険制度「農業共済」の掛け金115万円を国から不正受給していたことが1日、分かった。農水省の最高責任者が、同省の補助金を不正に受け取っていた組織のトップであり、しかも会計検査院から、不正の指摘を受けながら3年間も放置していた責任が免れるわけがない。同組合関係者などによると、補助金の不正受給が明らかになったのはブドウの被害を補償する農業共済。同組合は、261戸の加入手続きをとったが、このうち105戸は、未加入の農家の名前を勝手に使うなどの方法で水増したという。共済掛け金は、国と加入農家が折半する仕組みである。これによって、同組合は国の負担分115万円の補助金を不正に受け取っていた。不正受給は2004年6月、会計検査院が実施した検査で発覚。今年5月、不正受給分の補助金が返還されていないことから、再度、山形県に指摘したという(「しんぶん赤旗」同上)。

遠藤農水相は1日、「当時の課長二人がやったことで自分の指示ではない」などとして、大臣辞任の意向がないとしている。しかし、同組合関係者は「赤旗」の取材に、「遠藤農水相は、組合から報酬をもらい、人事権を持つ名実ともにトップ。水増し不正受給は十年以上前から行われており、二人の課長だけの問題でない」と証言。ブドウに限らず、長年にわたって組織的に行われていた疑いも浮上している(「しんぶん赤旗」同上)。
安倍内閣の農相は、政治とカネの問題で追及された松岡利勝氏が自殺し、後任の赤城徳彦元農相は事務所費問題で更迭された。遠藤農相も、代表を務める自民党支部が、農水省所管の独立行政法人から補助金を交付された「山形県家畜商業協同組合」から不適切な献金を受けていたことが判明し、8月30日に返金したうえで政治資金収支報告書を訂正したばかりだった(「毎日」9月1日11時32分配信)。

安倍首相は、前内閣で閣僚の疑惑が相次いでもまともな説明を求めずかばい続け、そのこと自体が国民の強い不信をかった。今度もし、疑惑閣僚がまともな説明をせず、首相が責任追及しないようなら、参院選で自公政権に厳しい審判を下した国民の選択をないがしろにするものといわざるを得ない。われわれは、この内閣自体を認めるわけにはいかない。安倍首相には即刻退陣を願いたい。
民主党の鳩山由紀夫幹事長は1日、「適性を欠く話で、(遠藤氏は)大臣を引き受けるべきではなかった。ご自身の辞任や安倍首相による罷免がなければ、厳しい措置を求めていきたい」と語った。問責決議案提出の検討については、「政府の対応いかんによっては、当然そういう話になる」と述べた(「朝日」2007年09月02日09時55分)。
安倍改造内閣は、もともと「人心一新」といいながら、一新されるべき張本人がそのまま居座って、役員人事、閣僚人事が一新されるわけがないわけで、それ自体が根本的矛盾だった。内閣の顔ぶれをみても旧態依然で、貧困と格差をいっそう拡大した「構造改革」の点でも、「戦後レジームからの脱却」といって戦後日本の原点である憲法や平和や民主主義から「脱却」するという点でも、なんらの反省を示すものではなかった。「政治とカネ」でも「反省」すべきことが何かもわかっていないようだ。安倍にこれ以上、政権をまかせるわけにはいかない。

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