世界一の軍事技術をもつアメリカが本土中枢の防衛網をなぜ9月11日に限っていとも簡単に破られたのか。国家にとって大失態のはずなのに軍や政府の誰一人責任を問われることもなく、何らの処分もないのはなぜか。ジャーナリストの田中宇さんは早くから9・11事件は「アメリカ政府の上層部が大規模なテロ事件が起きることを知りつつ意図的に放置したか、もしくはテロ事件の計画そのものに関与していたと考えたほうが無理がない」と指摘していました(田中宇『仕組まれた9・11 アメリカは戦争を欲していた』PHP研究所2002.4)。
最近、『週刊金曜日』編集員の成澤宗男さんは、『9・11の謎 世界はだまされた!?』(金曜日2006.9)を出版し、「攻撃放置」論だけでも無理があり、米国外の「外部」の攻撃計画者と「内部」で事件に関与した勢力がそれぞれ存在し、公式記録には一切現れない闇のリンケージがあり、両者が「9・11」の遂行という共通の目的を有していたのではないかと結論づけています。
「9・11」の実行犯とされた19人のアラブ人の証拠は依然不明のままです。しかし、アメリカのマスメディアは一切これに触れようとしません。FBIは2006.5になって公式にオサマ・ビン・ラディンが「9・11」に関与したとする確固たる証拠はないと言い出しています(成澤同上)。
WTCビル崩壊の原因を調べるためには、鉄骨の残材を調べる必要があります。誰の指示かはっきりしないが崩壊後調査する間もなく鉄骨の大部分が作業員によってごみ処理場やリサイクル工場に持ち運ばれ検証不能となりました。ビルに衝突した旅客機のジェット燃料だけで本当にあのようなビル全体の崩落がおきるのか疑問にする研究者も少なくありません。ビル下位部分で内部爆発があったという少なからざる証言もあります(成澤同上)。
国防総省に衝突したとされるアメリカン航空77便(ボーイング757-200)も謎だらけです。これまで公開された多くの写真や資料とB757の機体の大きさや残骸とは余りにも不相応です。国防総省近くのホテルとガソリンスタンドの二つの防犯カメラは衝突直後にFBIによって押収されたまま一切公開されていません。何が飛来し、何が衝突したか真相は不明のままです(成澤同上)。
「ハイジャック犯」と格闘して旅客機がコントロール不能となり、ペンシルバニア州ピッツバーグ郊外に墜落したユナイテッド航空93便の乗客を英雄と称えた美談も作り話の可能性が高い(最近公開された映画「ユナイテッド93」はこの美談をもとにしているらしい)。93便のフライトレコーダーは公開されていないし、なぜか航空管制官へのインタビューも禁止されています。遺族の強い要求で遺族だけに公開されたボイスレコーダーは衝突三分前で音が途切れているが、この空白の三分間についてFBIをはじめすべての捜査機関は口をつぐんだままです(成澤同上)。
政治や戦争目的のために情報操作、作為的な事件の捏造が常に権力によって行われることは、歴史が教えるところです。アメリカが長期の「テロリストとの戦争」を始める計画にあわせて9・11事件をでっち上げたという「世紀のフレームアップ」疑惑も必ずや歴史の審判を受けざるを得ないでしょう。
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