プロメテウスの政治経済コラム

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額賀財務相  やはりケジメが必要だ! 元防衛施設局長が初めて実名で証言

2007-11-21 19:31:54 | 政治経済
額賀福志郎氏は9年前、1度目の防衛庁長官になってまもなく、装備品の代金を過大に払っていた背任事件の責任を取って辞任したことがある。「けじめをつけさせていただきたい」と、首相に辞表を提出した。約2年後、今度は経済財政担当相を辞める。汚職事件に絡んだ財団法人KSDから、多額の資金提供を受けた疑惑ゆえだ。辞任の前には「秘書が預かっただけ」「全額返した」と抵抗していた今回の守屋武昌・前事務次官の証人喚問以降の事態の進展は、やはり再々度「けじめをつける」べきことを示している。

守屋前事務次官は15日の証人喚問で、最初は逡巡していたが、額賀氏との宴席は「はっきり覚えている」と明言。2年ほど前、来日した元米国防総省日本部長のジェームズ・アワー氏を東京・神田の料亭に招いた会合で宮崎容疑者らと同席したといい、「ほかの政治家もいた」と証言した。これに対し、額賀氏は「記憶も記録もない」という。双方の言い分は真っ向から食い違っている。どちらかがウソをついている可能性が高いが、ウソをつけば偽証罪に問われる証人喚問での守屋氏の発言は重い。「記憶も記録もない」という額賀氏の釈明に、にわかにはうなずけない(「朝日」11月21日)。
額賀氏と軍需商社・山田洋行側の関係については、ほかにも次のような密接なかかわりが次々と明らかになっている。計220万円分のパーティー券を山田洋行に買ってもらった。山田洋行オーナーの娘の結婚式の車代として20万円を元専務から受け取り、代理出席した額賀氏の妻が祝儀として返した。元専務とはゴルフや昼食勉強会をともにした(「朝日」同上)。額賀財務相は、05年10月から06年9月まで、小泉政権の防衛庁長官であり、大規模なパーティー開催や「職務に関連して贈り物や便宜供与を受けること」を禁じた「大臣規範」に抵触するおそれ大である(「しんぶん赤旗」11月20日)

額賀氏は、10月30日の財政金融委員会で、軍需最大手の三菱グループ(三菱重工業、三菱電機など)が所有する“三菱迎賓館”「開東閣」に行ったことを認めている。19日の参院決算委員会で日本共産党の大門実紀史議員が会費支払いの有無をただしたのに対し、額賀氏は、「自分が払う場合もあるし、払ってもらう場合もある」「そのときどきについてコメントする必要はない」などとのべ、大門氏から「会費は払っていないということではないか。そもそも払うような場所ではない」と追求された(「しんぶん赤旗」同上)。接待するのは、常識から考えて山田洋行だけということはありえない。他の軍需企業が黙っているはずがない。

額賀氏が、1999年と2000年、仙台防衛施設局発注の建設工事の入札にからんで口利きをしていた疑いがあることを、太田述正元仙台防衛施設局長が暴露した。太田元局長は昨年、「赤旗」に匿名で防衛族議員の口利きの実態を語っていたが、実名での告発は初めてということだ(「しんぶん赤旗」11月21日)。
太田元局長は、口利きの経緯を記録した当時の日記を示し、「額賀氏側から特定業者を入札で指名するよう圧力があった」と語った。元局長によると、額賀氏からの口利きがあったのは、99年4月23日と2000年3月2日の二回。山形県内の建設業者を施設局発注工事の入札で指名するよう要請をうけたと部下から報告を受けた。2000年3月2日は、額賀氏側からの「対応が遅い」というクレームであった。当時、防衛庁官房長だった守屋氏を通じて同局に連絡があったという。日記の該当個所には「額賀官房副長官から官房長(守屋氏)に、山形の××(業者名)の口添えをしているのに、動きが悪いとのクレームが入ったと建設部長が言ってきた」と記されている。同年3月14日付には、業者が額賀氏秘書から指示され、元局長にあいさつにきた際のやりとりも記録されている(「しんぶん赤旗」同上)。

時々、業務日誌を几帳面につける人がいるが、これだけ状況が細かく記録されていては、さすがの額賀氏も「記憶も記録もない」とは言えないだろう。守屋氏は15日の参院での証人喚問で、「建設関係で、(政治家から)防衛省の仕事をやりたいから、この会社を防衛省に登録するためにはどうしたらいいかとか、相談をうけて担当先を紹介した記憶はある」などと証言していた。元局長は守屋氏の証言を聞き、「自分も証言しなければいけないという、守屋からのメッセージと受け取った」と公表の動機を語った(「しんぶん赤旗」同上)。

額賀氏は05~06年の2度目の防衛庁長官時代に4回、朝食勉強会のかたちでパーティーを開き、山田洋行の分を含めパーティー券を計5710万円売り上げたという。額賀氏と業者の関係は、閣僚として常識をはずれている。来年度の予算案づくりが迫っている。額賀氏がこのまま財務相として、防衛予算を含む予算編成に取り組んだ場合、国民の理解が得られるだろうか(「朝日」同上)。
やはりケジメが必要だ!

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