プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

新自由主義の暴走  注目を集めるマルクス、日本共産党  若者よ!革命的な大局観を学ぼう!

2008-05-19 20:13:43 | 政治経済
新自由主義の暴走が世界で格差・貧困を激化させ、いまマルクス、日本においては共産党に注目が集まっている。「マルクスがかつて指摘した資本主義の限界。懸念される世界経済の行方、世界中で広がっている格差、資本主義はもはや限界なのか」――。テレビ朝日系「サンデープロジェクト」は18日、「資本主義は限界か?」というタイトルで「日本共産党・志位和夫委員長に聞く」を放送した。『週刊朝日』4月4日号は、「真面目でブレない主張が新しい 志位和夫の日本共産党宣言!」というタイトルで、「今や国際的な投機マネーに引きずられた『超資本主義という妖怪』が世界を脅かしている。共産主義者の目に今の社会はどう映るのか」として、志位委員長へのインタビューを5ページにわたって掲載した。時代の矛盾の深化と社会の閉塞状況を思わざるをえない。私は自分自身も含めて、若者たちに現代は、面白い時代だから、“学べ、学べ、学べ”(レーニン)ということを強調したい。

世界や日本の社会はこれほど問題が山積みしており、現実変革の萌芽や可能性がないわけではないが、残念ながら、現実を変えようとする有効な大状況がなかなか現れない(島崎 隆「『個人の病理』と『社会の病理』」『日本の科学者』2008・6/Vol.43)。人びとを10万、20万人規模のデモなどに結集させる力が今の共産党にはない。国民の社会認識、政治的意識は国民みずからの経験を通じて発展する。マルクスや日本共産党に注目が集まるのは、新自由主義の暴走によって、資本主義の矛盾が人びとの生活を脅かしているという日常の生活体験を反映したものだ。人間をモノのように使い捨てにする派遣労働の問題を取り上げた共産党・志位委員長の質問(2月8日衆院予算委員会)は、若者の間に大きな反響をよんだ。「共産GJ(グッドジョブ)過ぎる」「党名なんて関係ないね。C(志位委員長)応援する!」などの感想がインターネットの動画サイトに次々書き込まれた。問題は、このような関心が持続的な現実変革運動にどうつながるかである。

矛盾を解決するためには、矛盾を科学的に分析、認識するとともに、矛盾を解消することを求める国民の関心の高まり、現実変革の大きな運動が展開されなければならない。関心の高まりを持続的な運動にまで発展させるには、革命的な大局観を学ぶことが欠かせない。
マルクス主義理論は、よく言われるように、哲学、経済学、社会主義理論が渾然一体となっている。
マルクス主義の紹介・解説としては、エンゲルスの『空想から科学へ』(1883)や、レーニンの解説「カール・マルクス」(1918)など、いわゆる「マルクス主義の3つの源泉と3つの構成部分」が基本的なものとされてきた。そして、私たちは若いときに、独習指定文献(共産党が独習指定文献制度をやめたというが私には全く理解できない)として当然のように、これらを学習したものだ。

新自由主義の思潮が自己実現・自己啓発・自己責任などの「個人還元主義」の考え方を広め、若者を追い込んでいることは、理解できる。しかし、若者がなぜ「科学的真偽」や社会的原因などを考えないで簡単にスピリチュアルなものにはまり込むのか。なぜ簡単に未来に絶望してしまうのか。
私は、若者が哲学、経済学、社会主義理論の基礎を手軽に学ぶ機会が著しく減少しているのではないかと思う。これは大人の側の大きな責任である。若者は、断片的な生活体験を科学的な体系として、系統的に学ぶことが必要である。科学的で、大局的な世界観(自然と社会に対する)がマルクス主義の真髄である。 若者よ!友だちと一緒に、そして独りでも、学べ、学べ、学べ!
「私は、社会とか政治とかを与えられたものとして、そのどこに自分の居場所があるかということではなくて、居場所のないような社会は変えて、居場所のある社会をつくる。自分で夢と希望の条件をつくるというつもりで、現在を見てほしいと思うんですね。今の社会の貧しさを自分の貧しさにしちゃいけないんですよ。今の社会が貧しいということは、豊かな可能性が出る社会に変えられる」ということだ(5月11日・テレビ朝日系「サンデープロジェクト」での日本共産党・不破哲三前議長の発言)。


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