プロメテウスの政治経済コラム

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普天間「移設」  びっくり仰天の勝連沖埋め立て案 面積、普天間の2倍の新軍事要塞!!

2010-04-05 18:47:14 | 政治経済
政府が普天間基地の「移設」先として検討している勝連沖(米軍ホワイトビーチ沖)埋め立て案。県中部地区の経済関係者が政府に持ち込んだという。持ち込まれた図面によると、うるま市浜比嘉島の沖合1300メートルのリーフ内に1020ヘクタールを埋め立てて人工島を造成。3600メートル級の滑走路2本と3000メートルの滑走路1本を建設するという(「しんぶん赤旗」2010年4月5日)。
米空軍嘉手納基地でさえ3600メートル級滑走路が2本。これに航空自衛隊那覇基地、米軍那覇軍港の機能を「移転」させるびっくり仰天の巨大新軍事要塞の出現である。誰がこんなことを考え付いたのか。
辺野古現行計画が頓挫すれば、埋め立て事業の利権が喪失する。沖縄のなかに裏切り者の業者がおり、それを後押しする政治家・官僚が蠢いているようだ。自公政権から民主党中心の連立政権に変わっても、沖縄に基地を固定化し、その利権に群がる政・官・業の癒着の構造は変わっていないようだ

 目取真俊さんのブログ「勝連沖案と宮古へのカジノ設置」(2010-03-15)によれば、平野博文官房長官は、3月10日に民主党県連の喜納昌吉代表と面会した際に勝連沖埋め立て案を説明したという。平野氏は、軍民共用で過密な那覇空港にある空自基地、返還が実現していない那覇軍港を海上埋め立ての普天間移設先(勝連沖埋め立て地)に併設することで、県民の理解を求める考えを示したという。
目取真さんは言う。<平野官房長官の沖縄に対する認識の浅はかさには呆れ果てる。米海兵隊の滑走路に加えて航空自衛隊の滑走路も建設し、那覇軍港も併設するというのだから、普天間基地の「移設」どころの話ではなく、埋め立て面積は拡大し、演習量も倍増する。辺野古現行計画が頓挫した後にそういう案を出されて、沖縄県民が〈理解〉し、受け入れると考えているのだろうか>。
「しんぶん赤旗」2010年4月5日より

 面積を比較すると――。V字形滑走路2本をつくる現行計画・辺野古沿岸は160ヘクタール。勝連沖埋め立て案は、この辺野古案6倍の広さだ。「世界一危険な基地」の普天間基地は480ヘクタールで、勝連沖案はこの2倍の面積である(「しんぶん赤旗」 同上)。

 平野官房長官は、喜納代表に対して、沖縄の振興策として宮古にカジノ施設を設置する案も示したという。
<宮古は国民新党の下地幹郎議員の出身地であり、これが沖縄選出の国会議員として「県内移設」を主張している下地議員への鳩山政権からのご褒美というわけか。おそらくは宮古のカジノ構想の裏には下地島空港の軍事利用がセットになっているだろう>(目取真俊 同上)。

 政府は、沖縄でなぜいまこれだけ「県内移設」反対の声が大きくなっているのか分かっているのだろうか
<沖縄県内で「移設」=たらい回しをやっている限り、それが本当の意味で「沖縄の負担軽減」になることはない。普天間基地のある宜野湾市にとっては「負担軽減」になっても、「移設」先では負担が増加するのであり、沖縄の中で負担をたらい回ししているにすぎない。しかも、「移設」先となった地域では対立と分断が起こり、住民が苦しむことになる。この13年余、名護・辺野古で何が起こったかを沖縄県民は目にしてきたのだ。同じことをこの沖縄でもう繰り返したくない、という心情、認識になるのは当たり前のことだ>(目取真俊 同上)。

 沖縄の国会議員が県内移設を提案しているので、政府は沖縄にメリットを与えれば妥協すると思っているのではないか。利権に群がる政・官・業の旧い癒着構造に依存して沖縄は一枚岩ではないと期待しているようなら、まもなく手痛いしっぺ返しを受けることになるだろう。

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