先日、「NHKとメディアを考える会(兵庫)」主催の集いが終わったあとの懇親会で永田さん(元NHKプロデューサー、現武蔵大学教授)とNHK会長の独立不羈の話になりました。安倍官邸や国会与党が何と言おうとも7000億円を超える運営資金が、視聴者の皆さんによって担保されているのだから、もっと政権に影響されず、政治家から束縛されずに行動すれば良いのに何故できないのでしょうか。
結局、今の放送法の仕組みのもとでは、政権に逆らい、視聴者の方に顔を向けるということは馘首を覚悟するほかないということです。
現在の放送法のもとでは、NHK職員にとって、自分が理事としてNHKの役員になれるかどうかを決定するのはNHK会長だが、同時に経営委員会の同意が必要であり、NHK会長は経営委員会が任命し、経営委員会の委員は内閣総理大臣が任命する。つまり、NHKのなかで、自分の出世、評価の向上を望むなら、内閣総理大臣(=政府・与党)のお気に入りでなければならいということです。
NHKの人事権の仕組みは、もともと政権批判ができないように仕組まれているということだ。さらに組織運営のための事業計画・予算は、総務大臣に提出することが義務付けられ、国会の審議・承認が必要とされています。視聴者が負担した金(カネ)なのに与党に逆らって使うことができないのです。
これでは、NHK放送の内容が視聴者の方を向くことはありません。
この度、参議院選挙を控えて、市民連合と5野党・会派が13項目の「共通政策」に合意し、その13番目に「国民の知る権利を確保するという観点から、報道の自由を徹底するため、放送事業者の監督を総務省から切り離し、独立行政委員会で行う新たな放送法制を構築すること。」が入りました。
NHK制度改革なくして、NHK放送の偏向を根本的に糾すことは不可能だということです。