フーベルト・ザウパー監督のドキュメンタリー映画『ダーウィンの悪夢』を観た。「ダーウィンの箱庭」と呼ばれるくらい豊かな生態系をもつアフリカ・ビクトリア湖が、外来魚「ナイルパーチ」の放流で壊滅的な打撃を受ける一方、欧米や日本へ輸出するためのナイルパーチ漁が盛んになる。ナイルパーチによって誕生した産業は一方の局での経済的繁栄と他方の局での貧困の拡大をもたらした。一部の国の国民の食卓を豊かにすることが、現地の人々にいっそう厳しい生活を強いる現実を告発している。私は、戦前からのロングセラー吉野源三郎『君たちはどう生きるか』(岩波書店)に描かれているコペル君の「人間分子の関係、網目の法則」を思い出した。 . . . 本文を読む
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