安倍首相は、今月末からはじまる通常国会で改憲手続き(国民投票)法案の成立を期すといい、「私の内閣として改正を目指したいというのは当然、参院選でも訴えていきたい」(四日、年頭会見)と、改憲を夏の参院選の争点にすえる考えを示した(「しんぶん赤旗」2007年1月5日)。改憲を推進している自民党、容認している公明党、民主党、無所属合わせて改憲派の議席は衆院で480議席のうち実に465議席。97%にのぼる。参院でも95%にのぼる。国会状況だけからみれば、改憲は勝負あった感じである。しかし、眼を国会から社会に転じて、憲法9条に関する国民意識を見ると、ことはそう簡単ではない。たとえば、2005年10月に毎日新聞が行った世論調査では、九条改憲に反対する者は61%にのぼった。2005年9月の総選挙投票者数は約7000万人であったから、61%は4300万人である。9条護憲派の共産党、社民党の得票は864万であったから、約3400万人の人が自民、民主、公明などに投票しながら、九条の改憲には反対ということになる(渡辺治「九条は守れるのか」『日本はどうなる2007』金曜日2006)。国会の議席数と国民世論は、明らかにねじれている。 . . . 本文を読む
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