Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

集中治療専門医を失うらしい。

2023年11月09日 | ICU・システム
昨日、集中治療医学会からメールがきた。
「日本専門医機構認定のサブスペシャルティ領域専門医制度開始に伴い準備を進めておりますが、機構専門医更新の際に基本領域の専門医資格が必要になります。」
だそうだ。
確かに、機構認定サブスペシャルティ領域「専門医の認定・更新」に関する整備指針に、
(1)機構専門医更新申請資格
B.本機構が定める基本領域学会の機構専門医(学会専門医は除く)資格を有していること
という記載があり、この文章は2022年4月15日に改訂されているので、随分前から決まっていたことらしい。

青天の霹靂とはこのこと。
てっきり、今後専門医になる人は基本領域が必要だけど、すでに取得している人は関係ないと思っていた。
知らなかったのは僕だけ?

ちょっと古い情報だけど、
永松聡一郎, 幸部 吉郎, 山下 和人, et al.
集中治療専門医のバックグラウンドとサブスペシャルティ
日集中医誌 2012;19:97~98.

によると、2009年の集中治療専門医は854名。そのうち麻酔科専門医も救急専門医も持っていない人が101名、そのうち循環器専門医と脳外科専門医を持っている人が48名いるので、集中治療専門医だけしか持っていないと思われる人は53名(全体の6.2%)。
学会のウェブサイトによると、2023年4月1日現在、集中治療専門医は2550名(14年で3倍になった)。もし集中治療専門医だけしか持っていないと同じ比率だとすると、158人が集中治療専門医を失う計算になる。

と言っても、僕みたいな情報弱者はきっと少ないのでしょうけどね。
このページの左に、「僕が唯一専門医を持っている学会。巷では、そういう人をreal intensivistと呼ぶ、らしい?」なんて書いてあるが、消さないと。

セミリタイアしているとはいえ、正直ちょっと寂しい。
これでいよいよ集中治療医としての復帰の可能性はなくなった。
まあ、する気ないけど。
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