Dr内野のおすすめ文献紹介

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手術室における酸塩基分析:ベッドサイドでのスチュワート・アプローチ

2023年11月29日 | 腎臓
メジャー雑誌でStewartという単語を久しぶりに見たかも。

Story DA.
Acid-Base Analysis in the Operating Room: A Bedside Stewart Approach.
Anesthesiology. 2023 Dec 1;139(6):860-867. PMID: 37934110.


自治さいたまのカンファでは、もう”アニオンギャップ”という単語は出てこず、普通にStewartを使ってくれるようになった。新しい文献を見かけなくなったのも、それだけ国際的にも普通になった、ということではなかろうか。

この文献にも計算方法が書いてあるけど、リンがないのとアルブミンの単位が違うので、自治さいたまの計算式をお教えします。

①乳酸の正常値(1mEq/L)より大きい分が乳酸アシドーシス。
②[Na+] - [Cl-]を計算、正常値は36mEq/L。この値より小さい分が高Cl性アシドーシス。
③リンは1mg/dlで0.6mEq/L (3.5mg/dlを基準、プラスならアシドーシス)。アルブミンは1g/dlで2.5mEq/L (4g/dlを基準、多くはマイナスになるのでアルカローシス)。

慣れれば1分で、例えば正常血糖性のケトアシとかだったら、一発でケトンの量を暗算できるよ。
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