Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

日本の病院の手指衛生の遵守率

2014年04月18日 | 感染
すごいよ、これ。。。

Sakihama T, Honda H, Saint S, et al.
Hand Hygiene Adherence Among Health Care Workers at Japanese Hospitals: A Multicenter Observational Study in Japan.
J Patient Saf. 2014 Apr 8. [Epub ahead of print] PMID: 24717527.


あまりにもすごいので、要約を書く気にもなれない。。。
こんなもんでしょ、と思う人も多いかもしれないけど。

つい先日、ESBLが検出されていて接触感染対策を行っている患者さんのところから出てきた若い内科医(らしき人、初めて会った)が、手洗いシンクの前で水の出し方が分からなくて困っていたので、壁にセンサーがあるんだよと教えてあげた。ちょっと暇だったので、ところで君は流水と速乾性の手指消毒の使い分けは知っているのかい、と聞いてみた。そしたら、”え、、、”と言うので、教えてあげた。

こういう人に会うと、おめー、何年医者やってるんじゃい、標準予防策の基本も知らんのかい、と怒りが込み上げてきたりもするのだけど。そうすると怒りの対象が病院中にゴロゴロいることになっちゃって、自分の精神衛生上よくないから、可哀想だなと思うようにしている。

今回紹介の文献を読んでも、もちろん患者さんが一番可哀想なんだけど、医療従事者も可哀想。
きっと、患者さんの接触前後には手指衛生をしないといけないんだということは聞いたことがあるんだよね。でも、それがどれくらい重要なのか知らなかったり、周りがやってないからつい自分もやらなかったり。そして、知らぬ間に患者さんに感染を伝播させて、最悪の場合にはそのせいで患者さんが死んじゃったりしていることも知らない。

そういう環境にいることが可哀想。


これはかわうそ。
コメント
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