Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

CRRT患者の栄養投与量

2014年04月10日 | 消化器・血液
先日、JSEPTICのメーリングリストで松江の橋本先生がRENAL studypost-hoc解析の紹介をされていたけど、これもその一つ。

Bellomo R, Cass A, Cole L, Finfer S, et al.
Calorie intake and patient outcomes in severe acute kidney injury: findings from The Randomized Evaluation of Normal vs. Augmented Level of Replacement Therapy (RENAL) study trial.
Crit Care. 2014 Mar 14;18(2):R45. PMID: 24629036.


CRRTを必要とした患者さんに対して投与された栄養の投与量(delivery of caloric intake, DCI)の中央値で二群に分け、予後との関連を調べた。その結果、90日死亡率はDCIが高い群で43.3%、低い群で45.8%で有意差無し(p=0.34)。多変量解析でも、投与量が100kcal増える毎のオッズ比は0.95(p=0.06)でギリギリだけど有意差無し。人工呼吸期間とかICU滞在日数とかいろいろ調べたけど、どれも栄養の投与量が予後とは関連しなかった。

カプランマイアーが面白い。
DCIが低い群は最初にドドっと下がっていって、90日で高い群とほぼ同じになる。
96時間以上生存した患者さんに限るとDCIが低い群の方が生存率が断然高くなる。

所詮はpost-hocで、何も証明しないけど。
栄養の投与量についての観察研究の限界が見える気がする。
・重症なので栄養が投与できない
・十分な投与量になる前に死んでしまうとDCIが低いことになる
・良くなってさっさとICUを退室してもDCIが低いことになる
とかね。
コメント
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