パンと珈琲日記~整形外科じゃなくて成形~

パン焼きと珈琲を趣味とするある整形外科医の日記

たまには上野で教養を深めて、、

2008-11-24 23:36:53 | Weblog
ブログでレオナール・フジタの話題が出たところ、不思議なもので、上野の森美術館の招待券が我が家に舞い降りて来た。実は美術関係はよくわからない。が、遥かな昔、カトリック関係を通じて彼のことは聞いたことがあったし、絵も(実物ではないが)、多分ステンドグラスも見たことがあった、と思う。多分、まだ、自分が10代の頃だったか、聖母子の絵だと思うが、それを見て気持ちの悪い子供(キリスト)の絵を描くな、ということで強く印象に残っていた。これも神の見えざる御手のなすわざか、偶然か?いや、神の思し召しと信じて家族そろって行くことにした。

やはり実物を間近で見るのは違う。間近で見て彼の人物画は、はっきりとした輪郭とごく淡い低彩度の濃淡で出来ていることがよくわかった。コントラストの高いようなそれでいてぼけたような、絵の中に彫刻があるような、そんな彼の絵の不思議さはここから来ていることがよくわかった。彼の裸体像は解剖学的に不正確じゃないか?と思ったのはその濃淡の彩度が非常に低く、白黒に近く、使い方がとても淡いからなんだ、ということもわかった。低彩度で淡い濃淡、これって日本の水墨画みたいだな?と思っていたら、水墨画みたいな猫の絵があったので、やはり、と思った。

面白いな、と思ったのはデッサンでトレーシングペーパーを用いて顔の角度というかアライメントを調節していたこと。これって整形外科でも手術前のシュミレーションでやったりする。美術の世界で一般的ならこの技法は美術から来ているのかもしれない、と思った。整形外科の世界で最初にやり始めたのは誰なんだろう?

その後、国立科学博物館へ。子供の頃から何回ここには来ただろう?子供の頃、上野は子供の好奇心を満たす特別な場所でよく兄弟だけで動物園、博物館、美術館に電車を乗り継いで来たものだった。あの頃、科学と言えばわくわくした時代だったので、国立科学博物館は特別な場所だった。今回も家族でお約束の恐竜の骨を見てきた。昔は入り口に鎮座していたティラノサウルスも主役の座を下ろされたのか、奥にその他大勢とともに展示されてしまっているのが何ともさみしい感じがする。




あと職業的興味をひいたのが木骨(もっこつ)といって木で出来た江戸時代の骨の標本。かなり精巧に出来ていた。



やはり上野はいいなぁ。。。。