テムテムな日常

頑張れみんな!頑張れ自分!

「出来ないかもしれない」でいい

2008-02-03 | 介護職
父ちゃんが、就職祭り(?)の講演で、リクルート君たちの前で話をすることになったらしく、そのことについていろいろ話をしました。

我が家は夫婦揃って介護職、ということもあり、日常会話にもしばしば「介護とはなんぞや?!」みたいなカタイ話題が登場します。ときにその議論は白熱し、うっかり朝まで生討論になったことも、一度や二度ではありません。父ちゃんは口がうまい上に人の話を最後まで聞かないので、私はいつも言い負かされっぱなしでと~っても悔しいのですが、わりと有意義な時間だったなぁと、いつもあとから思います。

で、今回もまたいつものとおり「これからの介護業界、生き残るにはどういった経営をめざすべきか」な~んてことを熱く語り合っていたのです。はたから見れば怪しい夫婦ですが。

批判を覚悟で言うなら、私は「利用者さんに○○をしてあげたい」な~んてことをいう介護職員のことは信用できません。介護の仕事というものは、目の悪い人にとってのメガネのようなもの・・・視力が悪い人は、メガネをかけることで視力の悪くない人と同じ視力を得ることができますよね?!介護もそれと同じで、手伝ってもらいたいと思ってはることを手伝うことで、手伝わなくても出来る人と同じ生活の質を保つことができる、というのが原則だと思っています。

ところが今の介護業界というものは・・・はっきりいって過剰介護になっている場合が多すぎる。個包装されたお菓子などをみんなで食べるようなときにも、いちいち介護職員が封をあけてから手渡しするような場面を良くテレビで見たりしますが、あれだってその場の全員が手渡ししなければならないことはないはず。なかにはハサミを自分で使える人もいるでしょうし、「こうやったら開けることができますよ」という言葉がけだけで開けることができる人もいるでしょう。私が言いたいのは「十人利用者さんがいたら十人に同じケアをするのはおかしい」ということです。もちろん、ひとりひとりにいちいち関わっていたら時間も人員もあっという間にパンクします。だけど関わり方というのは時間と手間を掛けるだけではないはず。食事に介助が不必要な人には介助をしなくてもいいし、あえてなにか手を出すことを探す必要はないということです。

施設介護において、あれもこれもとサービスを提供し、利用者さんのQOLを上げるのは間違っているのではないかと思うのですよ。あれもこれもするのではなく、必要最低限のサービスは徹底的に、完璧にこなす。これが一番重要なことなのではないかと思うのです。「ヘルプマン」で新井理事長が同じことを言っていましたが、まったくもって同感(漫画の中では、新井さんはおもいっきり悪役でしたが)。

それと同時に、ケアプランというものは、利用者のQOLの向上をねらってたてられるものですが、ケアにあたるときには常に「できないかもしれない」ということを考えながらやっていかなければならないとも思うのです。介護というものは「努力の甲斐」というものが必ずしもあるとは限らない。介護職員がいくら頑張ったところで、対象となる利用者のADLに必ずしも変化があるとは限らない。職業として介護を選んだのならば、「努力したけど無理でした」ではすまないのです。企業である以上、利益を上げなければならないのは当然のことです。常に一手二手先を読んで、結果が出なかった場合すみやかに次のプランを打ち出していかなければならないのではないかと思うのですよ。

・・・ちょっと長くなりそうなので、この続きは次回に。

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2 コメント

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Unknown (mizzie)
2008-02-06 00:51:54
「必要最低限のサービスを、完璧にこなす」ってのは、仕事として介護を行う上での必要最低条件だとは僕も思うのですが、ある意味これが一番難しい事なのでは?って最近思う事が多いオイラです。
僕の個人的見解ですけど、介護には「これがベスト!」ってのは無くて、ある人にはベストな介護がある人にはワーストにもなり得る、超高度な柔軟性と即応性を求められる要素があるようにも思います。
利用者満足と自立支援は決して完全には一致しないし、場合によっては反目さえするし、さらにそこに利潤を生み出そうとすればまた違った要素が出てきて、完全な答えなんてどこにも無いように思えてしまうんですよね。

語りだしたら止まらなくなってしまいそうなので、今日はこの辺にしておきます。おやすみなさい。

PS
介護福祉士国家試験、過去問をやってみたら平成18年が一番難しかったんですけど、hanaさんって確か、18年度試験での取得でしたよね??
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そうですよ (hana(本人))
2008-02-06 22:51:50
>mizzieさん
介護の仕事に答えというものは存在しません。もしも答えがあるとすれば、それが「利用者の満足」ということなのでしょう・・・まだまだ日本において「介護」という職種は始まったばかりです。そこが面白いところでもあり、難しいところなんですよね・・・。

はい、私18年取得です。今年の問題は、ケアレスミスさえなければ楽勝でしょう。私も自己採点9割でしたから。実技は・・・寒い時期なのであったかくして待ち時間を過ごすこと!これに尽きます。
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