三昧日記

小心者川筋男の後悔日誌

双眼鏡の化粧直し

2020-05-23 15:41:01 | 日記
リサイクルショップの入り口に1個100円のガラクタが籠の中に山積みにされていま
す。かき分けてみると,何とも古めかしい双眼鏡が出てきました。革製のケース付
きです。(革は偽革かも?)ひどい状態です。何だかかわいそうになり,100円払っ
て連れて帰りました。

何という型でしょうか?プリズムはありません。単にレンズが2個入った筒が2本
並んでいるだけです。ただし,もちろん距離調整機構は備えています。
その距離調整ですが,つまみを回そうとしてもびくともしません。完全に固着して
います。CRC 5-56を静かに噴射して根気よくいじっていると何とか動くようになり
ました。ただし,ガタガタしていています。
塗装の剥げも著しいのですが,貼り革が完全に外れてしまって中身の金属部分が丸
見えです。しかも白い粉を吹いて不潔感極まりありません。

これは何よりもまず貼り革を貼ってやらねばなりません。貼り革はグッタペルカと
呼ぶそうです。手元にカメラ修理用の合成革があるのでこれを使いましょう。
それにはまずぴったりと合うように切り出さなければなりません。久しぶりに三角
関数を使って展開図を描きました。

上の図で,丸印の場所(上底と下底が円弧になった台形)が必要な図形です。これ
を厚紙に印刷して型紙としました。
切り出した合成革を両面テープで貼って完成!もちろん,塗装の剥げたところには
黒のラッカーを塗布。

見違えるようになったと思いませんか?誰もこれが100円のガラクタだったとは思わ
ないでしょう。
レンズのことを言い忘れていました。一番大切なところです。
レンズには何も問題がありませんでした。ただ,非常に汚れていましたので取り外し
てアルコールで洗浄しました。ぴかぴかです。
ところで,この双眼鏡の正体は?何者でしょうか?
距離調整のつまみの下に何やら文字が彫り込まれています。

"GELBON" EARTH KOGAKU
と読めます。何だかドイツ語風の単語と英語と日本語(ローマ字)が混在した不思議
なロゴです。KOGAKUは多分光学でしょう。すると,アース光学というメーカが作っ
たGELBONと言う名の製品でしょうか?
インターネットで検索すると,終戦前1930年代の終わりころから1940年代の初めころ
まで存在したメーカだったようです。何と,陸軍に納めた双眼鏡もあったとか。
そのメーカは戦後カメラを作っていたようですが,ほどなく消えていったようです。
ケースは後日手入れして下げ紐を取り付けることにしましょう。
楽しい一日でした。
以上

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