わが家には1950年代の扇風機が2台あります。子供の頃家で使っていた
ものと同型機を以前見つけて買ったものです。羽根以外は鉄で,特に胴
体は鋳物で作られ,ずっしりと重い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/8e/2a2bdf3c51d700c99302be6f8dda0985.jpg)
速度調整は強・弱の2つしかありません。しかも,弱にしてもかなり強
い。
そこで1台に電圧調整回路を取り付け,回転数をダイヤルで連続的に変
えられるようにしました。これで微風にすると一晩中回転させても寝て
も大丈夫です。
ところが,先日その電圧調整回路が故障してしまいました。修理は容易
ではありません。そこで,微風が得られるように他の1台を改造するこ
とにしました。
電圧調整用のリアクトルの巻き線を増やし,タップを設けることで強風・
弱風を一段弱くするのです。回路図は下のとおりです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/65/c85d9e5342557504cd595c351fa4d728.jpg)
一番上が元々の回路。スイッチとモータの間にリアクトルが挿入されて
います。このリアクトルを入れるか,直結するかで弱・強を選択できる
ような回路です。
ここで一言。
モータは誘導電動機です。すると回転数は電圧とはほぼ無関係に一定の
回転数で回るはず。つまり,電源周波数で決まるのです。
しかし,扇風機は羽根のトルク特性をうまく利用して電圧で回転数を変
えています。モータもこの用途に適するような特性に作られているので
す。
さて,回転数を下げるにはリアクトルのインダクタンスを増やせばよい
ことになります。
ここでまた一言。
電圧を下げるには抵抗を挿入すればいい。しかし,抵抗ではジュール熱
が問題になります。損失と発熱です。(実際,抵抗を使ってみたところ,
発熱でとても実用にならないことがわかりました。)リアクトルだと損
失や発熱の問題から解放されます。
底板をはずすとリアクトルが見えます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/1a/b35eb9a8e7ab4b07f549b61179fb99b8.jpg)
中央にあります。その上に見える白い棒状のものはヒューズ(ホルダ)
です。以前わたしが組み込みました。何しろ古いので回路の短絡による
火災が心配です。
リアクトルを取り外しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/ad/bc7639b9c36a2bbdd52f8e2e2b9e3d6f.jpg)
巻き線を足す余裕があります。しかし,ボビンを取り出すには鉄心をば
らばらに分解しなければなりません。かなり躊躇しましたが,実行!
一枚一枚抜いて行きました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/7c/4fc072ab3b80e593360ef5544e64e9fe.jpg)
写真の上が分解された鉄心,下がコイルのボビンです。
これを巻きほどき,巻き数を倍にしました。なぜ,倍か?インダクタン
スは巻き数の自乗に比例します。よって,4倍のインダクタンスが得ら
れます。すると電圧降下も4倍になります。まったくの目の子ですが,
回転数のかなりの低下が期待できそう。
巻き替えたリアクトルです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/33/c4e4de2b188b2f06fff03f01e47e5f21.jpg)
中間タップを設けました。インダクタンスは両端で最初の4倍,端とタ
ップ間で最初と同一のインダクタンスが得られます。
さっそく組み込みました。回路は上の回路図の真ん中です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/06/5f5f4e3a544eebef75e54e791c82c1c6.jpg)
しかし,思ったほどの回転数の低下は得られません。インダクタンスが
まだ足りないのです。
そこで,リアクトルそのものを交換することを考えました。しかし,扇
風機の回転数制御に使うリアクトルなど手に入りません。同じような中
古扇風機を買ってきてリアクトルを取り出すことも考えました。
ところが,インターネットを眺めていると,蛍光灯の安定器を利用する
という記事が出ていました。このアイデアを戴きました。
さっそく近くの「無料回収所」に出かけ,2個いただきました。
予備実験の結果,1個で微風と呼んでいい程度の回転数が得られました。
リアクトルをこれと交換すれば強風・微風が得られます。しかし,元々
強風は強すぎます。ここはどうしても強風と微風の中間の回転数(弱風)
が欲しいところ。
タップがあればいいのですが,蛍光灯の安定器にタップなどありません。
そこで,安定器を2個並列に接続して弱風を得ることに。早速組み込み
ました。回路は回路図の一番下です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/e9/55b1601fa4e1d909261630ecdabc82dd.jpg)
取り付けはかなり難航しましたが,結果は上々。最初の画像はこのとき
撮ったものです。
昨夜一晩微風で風を送ってもらいました。良好。異状なし!
以上
ものと同型機を以前見つけて買ったものです。羽根以外は鉄で,特に胴
体は鋳物で作られ,ずっしりと重い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/8e/2a2bdf3c51d700c99302be6f8dda0985.jpg)
速度調整は強・弱の2つしかありません。しかも,弱にしてもかなり強
い。
そこで1台に電圧調整回路を取り付け,回転数をダイヤルで連続的に変
えられるようにしました。これで微風にすると一晩中回転させても寝て
も大丈夫です。
ところが,先日その電圧調整回路が故障してしまいました。修理は容易
ではありません。そこで,微風が得られるように他の1台を改造するこ
とにしました。
電圧調整用のリアクトルの巻き線を増やし,タップを設けることで強風・
弱風を一段弱くするのです。回路図は下のとおりです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/65/c85d9e5342557504cd595c351fa4d728.jpg)
一番上が元々の回路。スイッチとモータの間にリアクトルが挿入されて
います。このリアクトルを入れるか,直結するかで弱・強を選択できる
ような回路です。
ここで一言。
モータは誘導電動機です。すると回転数は電圧とはほぼ無関係に一定の
回転数で回るはず。つまり,電源周波数で決まるのです。
しかし,扇風機は羽根のトルク特性をうまく利用して電圧で回転数を変
えています。モータもこの用途に適するような特性に作られているので
す。
さて,回転数を下げるにはリアクトルのインダクタンスを増やせばよい
ことになります。
ここでまた一言。
電圧を下げるには抵抗を挿入すればいい。しかし,抵抗ではジュール熱
が問題になります。損失と発熱です。(実際,抵抗を使ってみたところ,
発熱でとても実用にならないことがわかりました。)リアクトルだと損
失や発熱の問題から解放されます。
底板をはずすとリアクトルが見えます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/1a/b35eb9a8e7ab4b07f549b61179fb99b8.jpg)
中央にあります。その上に見える白い棒状のものはヒューズ(ホルダ)
です。以前わたしが組み込みました。何しろ古いので回路の短絡による
火災が心配です。
リアクトルを取り外しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/ad/bc7639b9c36a2bbdd52f8e2e2b9e3d6f.jpg)
巻き線を足す余裕があります。しかし,ボビンを取り出すには鉄心をば
らばらに分解しなければなりません。かなり躊躇しましたが,実行!
一枚一枚抜いて行きました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/7c/4fc072ab3b80e593360ef5544e64e9fe.jpg)
写真の上が分解された鉄心,下がコイルのボビンです。
これを巻きほどき,巻き数を倍にしました。なぜ,倍か?インダクタン
スは巻き数の自乗に比例します。よって,4倍のインダクタンスが得ら
れます。すると電圧降下も4倍になります。まったくの目の子ですが,
回転数のかなりの低下が期待できそう。
巻き替えたリアクトルです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/33/c4e4de2b188b2f06fff03f01e47e5f21.jpg)
中間タップを設けました。インダクタンスは両端で最初の4倍,端とタ
ップ間で最初と同一のインダクタンスが得られます。
さっそく組み込みました。回路は上の回路図の真ん中です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/06/5f5f4e3a544eebef75e54e791c82c1c6.jpg)
しかし,思ったほどの回転数の低下は得られません。インダクタンスが
まだ足りないのです。
そこで,リアクトルそのものを交換することを考えました。しかし,扇
風機の回転数制御に使うリアクトルなど手に入りません。同じような中
古扇風機を買ってきてリアクトルを取り出すことも考えました。
ところが,インターネットを眺めていると,蛍光灯の安定器を利用する
という記事が出ていました。このアイデアを戴きました。
さっそく近くの「無料回収所」に出かけ,2個いただきました。
予備実験の結果,1個で微風と呼んでいい程度の回転数が得られました。
リアクトルをこれと交換すれば強風・微風が得られます。しかし,元々
強風は強すぎます。ここはどうしても強風と微風の中間の回転数(弱風)
が欲しいところ。
タップがあればいいのですが,蛍光灯の安定器にタップなどありません。
そこで,安定器を2個並列に接続して弱風を得ることに。早速組み込み
ました。回路は回路図の一番下です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/e9/55b1601fa4e1d909261630ecdabc82dd.jpg)
取り付けはかなり難航しましたが,結果は上々。最初の画像はこのとき
撮ったものです。
昨夜一晩微風で風を送ってもらいました。良好。異状なし!
以上
「インターネットを眺めていると,蛍光灯の安定器を利用するという記事が出ていました。」とありますが、具体的にどの記事になりますでしょうか?ご教授いただければ幸いです。
お手数をお掛けしますがよろしくお願いいたします。
お尋ねの件です。ヒントになった記事を改めて探しましたが,見つかりませんでした。
なお,わたしのこの記事の続編があります。よかったら2023年8月17日の記事をご覧ください。
元記事?が行方不明になっているのは残念ですが、教えていただいた記事で何とかなりそうな気がしますので頑張ってみます。