三昧日記

小心者川筋男の後悔日誌

古い扇風機

2022-06-26 06:25:08 | 日記
過日リサイクル業者から時計・扇風機・手回し計算器の3点を買った
ことをお話ししました。そのときの写真を再度お見せしましょう。

このうちの時計の修理譚はすでにご覧(?)のとおりです。

今回は扇風機です。
銘板には 12 Inch A.C. Electric Fan とあり,メーカは Shibaura Engine-
ering Works です。芝浦製作所でしょうか?

多分現在の東芝の前身でしょう。

全体が黒一色で重い。リサイクル市場ではときどき見かけるものです。
かなりくたびれてはいますが,買ってきたそのままでもなんとか動き
ました。しかし,何分にも古いのでそのままでは安心して使えません。
コードを引き直し,安全のためヒューズを加えました。

ついでにゴム足を取り付けて床を傷つけないように配慮。

完成した姿です。

この扇風機,50Hz, 60Hz 共用ですので,当地では東日本に比べて回転
数が
100(60-50)/50=20[%]
ほど高くなります。回転数は4段階切り替えですが,最も弱くしても
ちょっと強すぎます。リアクトルを追加すればいいのですが,今回は
やめておきましょう。
これでこの夏を乗り切れそうです。

ところで,底蓋を外したら昔の印刷物の断片が出てきました。

目的は不明ですが,印刷されている文字を読むと面白い。
阪急=西鉄(西宮球場)
とか,
光子 野添ひとみ ほか
などあります。西鉄は子供のころあった「西鉄ライオンズ」でしょう。
野添ひとみという名前は聞いた覚えがあります。すると,その左の光子
は「森 光子」でしょうか?それとも,「草笛光子」?想像するしかあ
りません。
以上

機械式カレンダー付き置時計の手入れ

2022-06-19 07:59:01 | 日記
時計の手入れが続いています。

今回はカレンダー付きの珍しい置時計です。もちろん,ゼンマイ駆動で
すべて機械式です。まずはその外観をご覧ください。

2つの時計が一体になったような感じですが,左が時計で右はカレンダ
ーです。2針ありますが,先の尖った方で「日」を示し,先がY型にな
った方で曜日を示します。
時計の方は説明不要でしょう。秒針はありません。

背面です。

つまみが3つあります。
左は曜日と日にちを合わせるもの,中央はゼンマイを巻き上げるもの,
右は時計の時刻を合わせるためのものです。時刻合わせのつまみが異常
に長い気がします。もしかしたら本来のものではないのかも知れません。
右端に見える長三角形のものは時刻の進み/遅れを調整するためのもの
です。テンプの螺旋状ばねに連結しています。左に回すと遅くなり,右
に回すと速くなります。なぜか右一杯の角度に合わされていました。

振っても,揺さぶってもまったく動きません。もちろん,ゼンマイは巻
かれています。
中身を取り出しました。

――と簡単に申し上げましたが,なかなか大変でした。精密機械である
ことは勿論,指針などをひっかけたりしたらおしまいです。

さて,内部を検めた結果,特に異常と思える箇所は見当たりませんでし
た。機械式時計の心臓ともいえるテンプにも異常なし。これはもう埃と
油切れでしょう。
丁寧に進めていくと,最初は短時間,その後徐々にテンプが連続して往
復運動を始めました。

時計とカレンダーの連携にも問題ないようです。しばらく動かしたまま
放置。

24時間以上経過したのでケースに収めることにしました。しかし,これ
が予想以上に困難。どうしても針が引っ掛かってしまいます。
「生産現場でこんなに難しいはずはない」
との考えでケースを改めて眺めると,裏蓋に何やら変なものが。

上の写真の左側です。これまた
「何の役目もない部品はないはず」
という信念をもってさらに眺めていると,これが裏蓋を固定しているキ
ーだと分かりました。上の写真はキーの穴に細い棒を差し込んで回した
ところです。
これで裏蓋が開きました。最初からこうすれば中身の取り出しも容易だ
ったのに‥‥。

組み上げてから時刻とカレンダーを合わせ,しばらく様子見です。
真夜中にカレンダーが更新されるか気になって枕元に置いて寝ました。
時々目覚めるたびに時計を眺めます。時刻に問題はありませんが,12時
過ぎてもカレンダーが進みません。
これはダメかな?12時間ずれているのかな?と思いながらうつらうつら
と‥‥3時過ぎに見ると,何と日にちが進んで「きょう」になっています。

曜日は‥‥?きのうときょうの中間の位置です。

また一寝入り。
5時少し前に目覚めると,「曜日」も「きょう」になっていました。昔の
時計のカレンダーは0時から4時頃にかけて日が変わるのでした。

ところで,この時計,インターネットで調べたらおおよそつぎのようで
した。
精工舎の大正時代のもの
名前は「七曜日指一週間保」(?)何と読むのだろう?一度ゼンマイを
一杯に巻き上げたら「1週間保」つのでしょう。
外装は,金色,金いぶし色,銀色の3種
価格はそれぞれ,8円20銭,8円,7円80銭
当時の大学卒初任給はおよそ70円か75円ほどだったと聞いたことがあり
ます。すると,この時計の値段は初任給のおよそ1割ほどだったという
ことになりましょうか?
もっとも,当時の大学卒の初任給で1軒家を借り,女中を1人置けたと
いうことだったとも記憶していますので,現在の初任給にそのまま当て
はめることはできません。

以上

置時計の修理(その2=完)

2022-06-18 09:29:55 | 日記
先日「置時計の修理(その1)」では歯車は動いているのに指針が動
かないという状況で終えていました。その原因が判明し,解決したの
でご報告いたします。

結論から言うと,わたしの無知が原因でした。つまり,指針を正式に
取り付けていなかったのです。下の写真のように長針・短針を軸に挿
入してドーム状のワッシャを被せ,その上から軸にピンを差し込むこ
とによって正常に動くようになったのです。


これには長針と歯車との連結機構の巧妙さが関係していると思います。
ご存知のように掛け時計では正面から指で長針を動かして時刻を合わ
せます。このとき,内部の歯車は回転しません。つまり,歯車と針と
は連動しないのです。
一方で,通常の動作状態では歯車の回転が針に連結されて針が動きま
す。
ちょっと説明しにくいのですが,長針と連結する軸は2つあって,同
心円状に構成されています。今回の場合,外側の軸に長針をかませ,
内側の軸とは連結せずに動作を観察したのでした。そしてその内側の
軸こそ歯車に連結されていたのです。

とにかく修理は完了しました。

外装の各部のねじのゆるみを増し締めしたり,ひどい汚れをぬぐい取
ったりして完成度をあげました。キューピッド(?)が手にしている
弓と矢は外れていますが,敢えてそのままにしておきました。はんだ
付けしてそこだけが白く光ったら妙だと思った次第です。

以上

ことしはヤマモモ不作?

2022-06-17 17:02:52 | 日記
例年この時期になるとヤマモモの実が熟れ,それが落下して歩道が真っ
赤になります。しかし,ことしはどうも様子が違う。真っ赤にならない
どころか,ヤマモモの木を見上げても赤い実が認められません。
ことしは不作かな?そう言えばわが家の庭のビワの木もことしは全く実
をつけていません。

そう思いながら行きつけ(?)の場所に行きました。やはりヤマモモの
赤い実は見られません。しかし,近寄ってよく見ると‥‥

ありました。ヤマモモの実です。でも,たしかに例年とは違って実が少
ない。
それでもよく熟れたものをつまんで,10分もすると

両手に一杯ほどの実が収穫できました。
一つ口に入れてみました。甘酸っぱい,いい味です。最近の(若い)人
は食べないようですね。いや,食べ(られ)ることを知らないのでしょ
う。勿体ない話です。
以上

置時計の修理(その1)

2022-06-15 07:15:40 | 日記
きのう置時計の修理を頼まれました。下の写真のとおり,ブロンズ製
(?)の立派なものです。

その裏側に扉があって,開くとねじ巻きがあり,内部には真鍮製のム
ーブメントが見えます。歯車などは隠れて見えません。

内部はまあまあ奇麗な状態と言っていいでしょう。ゼンマイは一杯に
巻き上げられていました。
依頼主としては,もし修復できなければムーブメントをクオーツに取
り換えて欲しいということでした。

動かないということでしたので,まずは全体をゆすってみました。
――まったく動きません。そこで前扉(風防)を開けて長針をゆすっ
てみました。動き出しましたが,すぐに止まります。しかし,その短
時間でもこの種の時計の特徴である「コチコチ」という音が聞こえま
す。
(これは修理できる!)

どのようにして内部を取り出すか?その方法・手順がわかりません。
仕方ないので作業を中断して寝てしまいました。
(無理は禁物!)

深夜1時過ぎに目が覚めたので再び分解に挑戦。
裏側の2本のビスを外すと難なく取り出せました。下の写真です。

奇麗な状態ですが,全体に干からびた様子。問題のテンプは天板の上
にありました。無事でした。

しかし,白い粉末状の埃をかぶっています。手で回してやってもすぐ
止まります。
そこで,ほこりを払い,注油。――すると勢いよく動き始めました。
(しめた!修理完了だ!)
ということでしばらく様子を見ていたところ,どうも針が動きません。
テンプは軽快に動き,それに連動していろんな歯車も動いています。
でも,針が動きません。

いろいろ観察していると,表現は難しいのですが,短針を回す一対の
歯車が円板に接してその摩擦のために動けない状態であろうことが判
明しました。下の写真の赤の楕円で囲んだ部分です。

少しぐらい引っぱたり押したりしても矯正できません。

(なぜ,こんなことになったのだろう?)
そう思いながら機械を改めて眺めました。すると,加工の粗さが目に
つきました。下の写真をご覧ください。

左側の矢印の先の穴はカエリが残ったままです。右の真鍮板の切断面
は手作業(金切り鋸)で切ったままの状態です。
ここにきて,この時計の成り立ちが推測できました。つまり,生産者
は何らかの形(方法)でムーブメントを手に入れ,それをブロンズ製
の筐体の中に組み込むため,そのムーブメントを加工したようです。
この加工のとき何らかの不具合因子が入り込んだのかもしれません。

さて,どうするか?クオーツ置き換えるのは簡単だが,何とか修復
したい。
しばらく考えます。(続編をご期待ください。)
以上