三昧日記

小心者川筋男の後悔日誌

計算尺による xy / (x+y) の計算

2022-12-14 20:21:21 | 日記
電気・電子技術者・学生がタイトルの式を見たらこれは並列接続された抵抗の合成抵抗を求める式だとピンと来たのではないでしょうか?あるいは直列接続されたコンデンサの合成容量を求める式と言ってもいいでしょう。

この簡単な式でも加算・乗算・除算の3つの演算が必要です。最も簡単な加減乗除しかできない電卓では結構大変です。まして,計算尺ではかなり困難な気がします。

しかし,計算尺でも加減算ができます。ただ,あまり適していないだけです。上の式の加算 x + y はつぎのように変形して計算します。
x + y = ( x/y + 1 ) y
つまり,除算して1を加え,さらに乗算を施せばいいわけです。ただしここで +1 は暗算で行います。

すると,タイトルに提示した式はつぎのようになります。
z = xy / ( x+y ) = xy / (x/y + 1 ) y = x / ( x/y + 1 )
しかし,この式どおりに計算することはできません。どうしても分母の方を先に計算しなければならないからです。(分母の計算結果をメモしておくのなら話は別です。)

この場合,逆数を使えば簡単に解決します。つまり,
z = 1 / { (x/y + 1 ) / x }
とします。逆数は計算尺にとっては簡単なことです。下の写真をご覧ください。

これは 14 / 8 = 1.75 を計算したところです。楕円のところが 14 / 8 であり,右側の矢印の先に答えの 1.75 が出ています。ところが,このとき左の矢印のところにその逆数つまり 8 / 14 = 0.571 が出ています。つまり,この計算の場合,答えの逆数が同時に求まるのです。

さて,以上のことを踏まえて例題をやってみましょう。
1.5 kΩ と 2.2kΩ の抵抗を並列に接続したら合成抵抗は幾らになるか?

R = 2.2 // 1.5 = 2.2 × 1.5 / ( 2.2 + 1.5 ) = 2.2 × 1.5 / { (2.2 / 1.5 + 1 ) × 1.5 }
= 2.2 / ( 2.2 / 1.5 + 1 ) } = 1 / { ( 2.2 / 1.5 + 1 ) / 2.2 }
を計算します。
まず,2.2 / 1.5 を計算します。下の写真です。

楕円のところが 2.2 / 1.5 で,矢印のところに答えの 1.466 が出ています。

これに1を暗算で加えて 2.466 を 2.2 で割ります。つぎの写真です。

左の矢印に商( 2.466 / 2.2 )が出ています。また,右の矢印にその逆数が出ています。
左側を拡大しましょう。

1.12 と読めるでしょうか?

右側の矢印部分を拡大します。

1.12 の逆数 0.892 と出ているのがお判りいただけるでしょうか?そうです,答えは 0.892kΩ です。

この計算は分母が x - y でもできます。
なお,この記事を書くきっかけとなった加減算の計算方法に関してはインターネットの「計算尺秘密基地」の記事を参考にしました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

いやー,計算尺は面白い。
以上

読書2冊

2022-12-14 11:46:07 | 日記
最近連続して2冊の書を読みました。「刀伊の入寇」と「天路の旅人」
です。

中公文庫と一般のA5判本です。

「刀伊」に関しては以前から関心がありました。そもそも「刀伊」とは
何なのか?何者なのか?ということからして疑問でした。断片的に読ん
だり聞いたりしたことがある程度でした。

それが,この本ではっきりしました。刀伊とは中国語の東夷に由来した
朝鮮のことばらしいのです。具体的には女真族であるということです。
女真族は後に金という国を立てます。――そういえば,中学校の歴史で
少し出てきたかな?という気がします。

古代中国では自分たちが世界の中心にある文明国で,周囲は野蛮人であ
るという認識でした。(今でもそう思っているのかも?)彼らから見て
北は 北狄(ほくてき)
東は 東夷(とうい)
南は 南蛮(なんばん)
西は 西戎(せいじゅう)
と呼んで蔑んでいました。したがって,古代日本も東夷の一部。有名な
邪馬台国に言及している中国の書物を一般に「魏志倭人伝」と呼んでい
ますが,本当は「三国志・魏書・東夷伝」の中にある「倭人」というと
ころに記載されているもの。なぜか1段ずつずれていますね。

ところが,どうも腑に落ちないことがあります。それは東夷と刀伊とで
は音が違うのではないかということです。古代の発音はわかりませんが
現代中国語では
東夷=dong(1)yi(2) [ トンイー ], 刀伊=dao(1)yi(1) [ タオイー ]
です。カッコ内の数字は四声を示します。1は第1声,2は第2声です。
一方,現代韓国語では
東夷=tong・i [ トンイ ], 刀伊=to・i [ トイ ]
です。
夷と伊はいずれもイと発音しますが,東と刀は発音が全く違います。果
たして刀伊は本当に東夷でしょうか?

それはともかく,刀伊が乱暴を働いた軌跡が図で示されています。

こ地図には表されていませんが,ここに来る前に対馬・壱岐で大暴れし
ています。
結局彼らは大宰府の藤原隆家らによって撃退されたのです。
外国からの侵入と言えば元寇が有名ですが,その約200年前に同じような
事件が起きていたのですね。

さて,もう1冊の「天路の旅人」です。
沢木耕太郎の著作です。わたしはかつて彼の書いた「キャパの十字架」
を読んだことがあります。事実をどこまでも論理的に科学的に探るその
手法に感嘆したものです。

今回のこの天路の旅人も同様に照合・分析を重ねて事実に迫っています。
主人公(と言ってもいいでしょう)は元陸軍の密偵。終戦後も大陸に残
ってチベット・インド付近を旅行する話です。もっとも,旅行というこ
とばで片付けていいものかどうか?旅行と言うより探検・冒険ですね。

彼の踏破した地域が載っています。

内蒙古からチベット,インドにまで達しています。8年間の足跡だそう
です。
すべて徒歩で通す気力・体力にも感心しますが,語学力に大いに感心し
ます。蒙古語はもちろん,チベット語やヒンドゥー語も修得します。も
ちろん独学です。中国語も話せたのではないかと思います。
わたしのちんたらちんたらした外国語学習の態度が恥ずかしく思えてな
りませんでした。

以上

師走の福智山

2022-12-09 07:08:14 | 日記
きのうは寝坊してしまい,目が覚めたらすでに5時。こりゃいかんと
飛び起きた次第。
コーヒーを飲みながらテレビを見ると,一日中降水確率0%の予報。
さっそく山に登ることにしました。

目的地は久し振りの福智山(901m)。いつもの上野(あがの)から
登ります。しかし,駐車場はすでに満杯。ちょっと離れたところに別
に広い駐車場があるのですが,そこは遠慮して少し高いところにある
駐車場にしました。先客(車)は2~3台ほど。好きなところに停め
放題です。

きのうは尾根コースにしました。
白糸の滝から急登になります。息を切らしながら一気に登り,なだら
かな尾根道を通って中腹の林道に出ました。
遠くに赤いものが‥‥。

キツネノカミソリのような花です。根元に名札が置かれていて,「ネ
リネ」とあります。誰かが植えたのでしょう。

再び急登になり汗ばみながら頂上へ。山頂の「山」の岩が出迎えてく
れます。

残念ながら霞んでいて眺望はよくありません。いや,悪い!故郷の霊
峰も霞んでおり,写真に収める気がしませんでした。

昼食を兼ねて休憩です。
トランシーバでハム仲間を呼びましたが応答なし。
久し振りに一人で記念撮影。

何だか暗い画像になってしまいました。

1時間足らずの休憩の後下山開始。
途中ちょっと藪に足を踏み込んだのですが,なかなかどうして歩けた
ものではありません。すぐ降参して通常の登山道に戻りました。
赤い実を付けた蘭のような植物が‥‥

おもとでしょうか?

おもとよりこちらの方が嬉しい発見。

木耳です。残念ながら手が届きません。次回は道具を携えて来ること
にしましょう。
いい一日でした。
以上

市販電源を改造(改善)

2022-12-02 08:20:54 | 日記
先月開催されたフリーマーケット3日間の最終日に市販の電源を見つけました。電圧・電流など不明です。前面パネルには TOSCA とありますが,メーカ名なのか?製品名なのか?まあ,直感的にはパーソナル無線用の電源だと思われました。正常に機能するかどうかわかりませんが,外観がまあまあだったし,値段も安くしてくれたので買って帰りました。

天板には 500 円と貼られています。

電源を印加すると正常に出力しました。約 13 Vです。しかし,このままでは何とも使いづらい。
そこで,使いやすいように改造することにしました。その要点はつぎのとおりです。
(1)前面パネルに電圧・電流計をつける
(2)出力 ON - OFF スイッチを設ける
(3)出力表示灯をつける(原型は入力表示灯)
(4)コネクタを追加して電源コードを着脱できるようにする
実は過日知人からデジタル表示の電流電圧計をいただいていて,何かに使ってみたいという思いがあったのです。

まず,内部状態を確認します。

あまりいいとは思えません。それにどうも変圧器は取り替えられているようです。ただし,オーディオ用の立派なもののようです。きちんとシールドされています。

取り付けるデジタル電圧・電流計の説明書です。

所用電源は,測定対象の電圧から供給します。

一旦すべての部品を取り外して穴あけ加工を行いました。いつものアルミと違って,鉄は固くて大変です。
それでも何とか加工を終えて部品を戻し,配線を終えました。


動作確認です。

電圧は赤の発光ダイオード,電流は青の発光ダイオードです。出力表示灯は緑色です。カラフルですね。
なお,出力用陸軍端子の赤(+)黒(ー)は向きを変え,中間にアース端子を設けました。

さて,何に使いましょうか?
以上