12月22日ついに金瓶梅(きんぺいばい)を読み終えました。これまでの経過を要約すると,
上巻(364ページ)読書開始 2022年10月8日
中巻(394ページ)読書開始 2023年6月30日
下巻(377ページ)読書開始 2023年12月8日
下巻読書終了(全1,135ページ) 2023年12月22日
ということになります。下巻は1箇月を要しませんでした。本気になって読めばこのスピードで読めるということです。もっとも,上巻や中巻を読んでいるときは,他の本を読んだりしてその間中断していたという事情もあります。
金瓶梅とは主人公(?)西門慶(せいもん・けい)の6人の妻
正夫人 呉月娘(ご・げつじょう)
第2夫人 李嬌児(り・きょうじ)
第3夫人 孟玉楼(もう・ぎょくろう)
第4夫人 孫雪娥(そん・せつが)
第5夫人 潘金蓮(はん・きんれん)
第6夫人 李瓶児(り・へいじ)
と女中の一人 春梅(しゅんばい)
のうちの
潘金蓮,李瓶児,および春梅
の3人の名前の各1文字を取ってつないだものです。たしかにこの物語では上記3人の登場場面が多く,目立ちます。
中国人の姓は普通1文字ですが,たまに2文字の姓もあります。ここの西門もその一つです。ほかによく知られた姓としては諸葛,欧陽,司馬などがありますね。
上記7人のうち,一人だけ姓のない人がいます。春梅です。この人の身分は奴隷です。奴隷は姓を名乗ることが許されなかったということを解説で知りました。本文中に奴隷(女中)の売買の場面が何度も出てきます。
主人公,少なくとも名目上の主人公である西門慶は下巻の中ほどで亡くなります。つまり,全体の6分の1は主人公不在です。他の夫人・女中も若くしてつぎつぎに亡くなります。最後まで生き残るのは正夫人の呉月娘です。つまり,この人が主人公とも言えましょう。
そして,気づいたのはこの最後の6分の1,すなわち西門慶の死後の話がこの物語の中心をなすのではないかということです。つまり,この最後の6分の1を描くために初めからの6分の5があるのではないでしょうか?まあ,文学に弱いわたしの見解ですから無視してください。
さあ,つぎは何を読もうか?――実はすでに何冊か用意しています。
上の3冊は紅楼夢です。よく金瓶梅と比較される長編です。
上巻395ページ,中巻607ページ,下巻504ページの合計1,506ページです。金瓶梅の3割増しになります。
写真の左下は岩波新書の数学に関する話です。「人物で語る数学入門」と「高木貞治」です。いずれも元九州大学教授の高瀬正仁の執筆になります。紅楼夢を読みながら,これらも並行して読むつもりです。
写真の右下は西廂記(せいそうき)です。終戦後間もなく発行されたもので,わら半紙のような粗悪な紙に印刷されています。製本も悪く,崩れそうです。しかし,このような古本しか手に入らないのです。
西廂記は中国の雑劇である元曲だそうです。小説ではありません。以前から気になっていた作品です。と言うのは,金瓶梅や紅楼夢の中でたびたび出てくるからです。私見では朝鮮文学の春香記に似たところがあるようです。
実はわたしはこの西廂記の中国語版を2冊持っています。ただ持っているだけです。
ずいぶん前に中国人の知人に頼んで中国から買ってきてもらいました。ですから,横書きの簡体字になっています。
2冊のうちの1冊には挿絵があります。翻訳本にも扉部分にあるのですが,絵の質がまったく違います。
ちょっと小さくて見づらいでしょう。訳本のほうももう少し魅力的に描いて欲しかったですね。何だか恋愛話の対象にはならないような気がします。百年の恋も冷めそうです。
以上
上巻(364ページ)読書開始 2022年10月8日
中巻(394ページ)読書開始 2023年6月30日
下巻(377ページ)読書開始 2023年12月8日
下巻読書終了(全1,135ページ) 2023年12月22日
ということになります。下巻は1箇月を要しませんでした。本気になって読めばこのスピードで読めるということです。もっとも,上巻や中巻を読んでいるときは,他の本を読んだりしてその間中断していたという事情もあります。
金瓶梅とは主人公(?)西門慶(せいもん・けい)の6人の妻
正夫人 呉月娘(ご・げつじょう)
第2夫人 李嬌児(り・きょうじ)
第3夫人 孟玉楼(もう・ぎょくろう)
第4夫人 孫雪娥(そん・せつが)
第5夫人 潘金蓮(はん・きんれん)
第6夫人 李瓶児(り・へいじ)
と女中の一人 春梅(しゅんばい)
のうちの
潘金蓮,李瓶児,および春梅
の3人の名前の各1文字を取ってつないだものです。たしかにこの物語では上記3人の登場場面が多く,目立ちます。
中国人の姓は普通1文字ですが,たまに2文字の姓もあります。ここの西門もその一つです。ほかによく知られた姓としては諸葛,欧陽,司馬などがありますね。
上記7人のうち,一人だけ姓のない人がいます。春梅です。この人の身分は奴隷です。奴隷は姓を名乗ることが許されなかったということを解説で知りました。本文中に奴隷(女中)の売買の場面が何度も出てきます。
主人公,少なくとも名目上の主人公である西門慶は下巻の中ほどで亡くなります。つまり,全体の6分の1は主人公不在です。他の夫人・女中も若くしてつぎつぎに亡くなります。最後まで生き残るのは正夫人の呉月娘です。つまり,この人が主人公とも言えましょう。
そして,気づいたのはこの最後の6分の1,すなわち西門慶の死後の話がこの物語の中心をなすのではないかということです。つまり,この最後の6分の1を描くために初めからの6分の5があるのではないでしょうか?まあ,文学に弱いわたしの見解ですから無視してください。
さあ,つぎは何を読もうか?――実はすでに何冊か用意しています。
上の3冊は紅楼夢です。よく金瓶梅と比較される長編です。
上巻395ページ,中巻607ページ,下巻504ページの合計1,506ページです。金瓶梅の3割増しになります。
写真の左下は岩波新書の数学に関する話です。「人物で語る数学入門」と「高木貞治」です。いずれも元九州大学教授の高瀬正仁の執筆になります。紅楼夢を読みながら,これらも並行して読むつもりです。
写真の右下は西廂記(せいそうき)です。終戦後間もなく発行されたもので,わら半紙のような粗悪な紙に印刷されています。製本も悪く,崩れそうです。しかし,このような古本しか手に入らないのです。
西廂記は中国の雑劇である元曲だそうです。小説ではありません。以前から気になっていた作品です。と言うのは,金瓶梅や紅楼夢の中でたびたび出てくるからです。私見では朝鮮文学の春香記に似たところがあるようです。
実はわたしはこの西廂記の中国語版を2冊持っています。ただ持っているだけです。
ずいぶん前に中国人の知人に頼んで中国から買ってきてもらいました。ですから,横書きの簡体字になっています。
2冊のうちの1冊には挿絵があります。翻訳本にも扉部分にあるのですが,絵の質がまったく違います。
ちょっと小さくて見づらいでしょう。訳本のほうももう少し魅力的に描いて欲しかったですね。何だか恋愛話の対象にはならないような気がします。百年の恋も冷めそうです。
以上
誤 春香記
正 春香伝(しゅんこうでん)
いつものおっちょこちょいです。ご容赦を。