三昧日記

小心者川筋男の後悔日誌

電動ミシンを修理すること

2024-08-28 13:17:05 | 日記
数年前フリーマーケットで電動ミシンを手に入れました。たしか500円だったと記憶しています。不動品で,店主によればペダルが紛失しているとのことでした。しかし,自宅に持ち帰って調べたところ元々ペダルを使わないタイプだったのです。不動の原因は油の固着で,すぐに解決。以後年に1,2度の頻度で使っていました。

去年だったか久しぶりに使おうとしたところ,返し縫いしかできない状態になっていました。つまり,通常の方向での運針ができないのです。
下の写真の右側赤丸で囲まれたレバーを下に押し下げると返し縫いになります。

レバーから手を離すと通常の方向になるのです。しかし,レバーを下に押し下げても上に上げても(手を離しても)返し縫いのままです。

きょう重い腰を上げて修理に挑戦しました。
今回苦労した点は,
①分解の仕方(外装をはがす),
②原因の特定
の2点でした。
外装はプラスティック製ですので部分的にはめ込み式が採用されています。割ったり,ツメなどを折ったりしたら大変です。時間がかかりましたが,何とか2つに割ることができました。

上の写真で赤丸で囲まれた部分が件のレバーです。これが内部機構にどのように作用しているのか探ります。
レバーのすぐ下にモータが見えます。

随分時間を要しましたが,下の写真の赤楕円で囲まれたコイルバネがまったく機能していないことを発見しました。伸びたままになっているのです。

そして,このバネが縮むと通常の運針方向になることがわかりました。
バネが伸びたままの直接の原因は,バネによって戻す機構の摩擦が異常に大きくなっているためと判明。では,どの部分?それがなかなかわかりませんでした。
バネのすぐ上にモータがあります。

観察するのにモーターが邪魔になるのでこれを一時的に取り外しました。

結局,上の写真の軸(白い矢印の先端)の押さえ板(黒い鉄板)のねじ(赤い矢印の先端)が締め過ぎのためでした。このネジを約120度ほど反時計方向に回して押さえる力を弱くすると件のコイルバネが効いてレバーがひとりで戻るようになりました。
なぜ,軸を押さえるネジが必要以上に(時計方向に)回ったのだろうか?それはわかりませんでした。
以上

アウトドア用コンロを点検すること

2024-08-22 06:12:29 | 日記
若いころから登山が趣味のわたしはコンロを数台持っています。

コンロについては苦い思い出があります。元来,わたしは山では焚火で用を済ます主義でした。その方が断然野趣に富んでいます。そもそも山に行くのは自然に触れるため。そこに文明の利器を持ち込むなど言語道断という訳です。もちろん,水も持って行きません。谷川や湧き水を利用します。
しかし,以下に述べる2度の失敗からコンロと水を携行することにしたのです。

まず,最初は由布岳(大分県)でのこと。
ご存知のとおり由布岳は火山(だった山)で,表面は火山性の石・岩で覆われており雨が降っても水はすぐに地に吸い込まれ,谷川などありませんでした。水がないまま頂上に到着。周囲を見回しても薪になるものはありません。仕方なくごみを集めて燃料にし,米を炊くための水にはお茶を使いました。(友人がお茶を持っていました。)当然米を研いだり洗ったりということはできません。

つぎに,冬の犬ヶ岳(福岡県と大分県の県境)でのこと。
予想外に雪が積もっていて,薪など手に入れようがありませんでした。このとき,詳細は省きますが,別の登山者からコンロ(フォエーブス)を貸してもらったという始末。

その後,国立公園内では焚火が禁止されているといったようなことを聞き及ぶにつれコンロを使うようになったという次第です。

おっと,コンロではもう1つ面白い経験をしました。
友人のコンロを借りて祖母山(大分県)に登ったときのこと。事前練習もせずに,燃料の灯油も竹田駅前で調達というずさんさ。山小屋でコンロに火をつけようとしても手順が分りません。箱の中に取扱説明書がありましたが,外国語。英語,フランス語,ドイツ語,それにアラビア語(?)のようです。一番自信のあった英語を読みましたが,spirit の意味が分かりません。当時の知識では「魂」という言葉が浮かびましたがコンロの点火手順とはおよそ縁のない言葉。
では,ということで英語のつぎにわかるドイツ語の説明を読みました。すると,英語の spirit に該当する箇所には Alkohol とあったのです。それでようやくアルコールで予熱することが分かった次第です。
いやはや,こんな登山者が遭難して迷惑をかけるのでしょうね。

話を本題に戻しましょう。
まず,SVEA のコンロからです。一般にはラジウスと呼ばれていますが,わたしのはスベア製です。50年以上昔一番最初に買ったコンロです。灯油仕様です。
予熱して着火。

何とか火はつきましたが,弱い!ポンピングして圧力をかけてもあまり強くなりません。ポンプに力が入りません。

消火して冷えた後ピストンを取り出しました。

どうやら革カップが干からびているようです。
では,ということでオイルで揉みほぐすことに。

オイルは買ってから30年ほど経過していますが,まだまだ使える(と思います)。
しかし,再度燃焼試験をするとやはり火力が弱い。しかし,ピストンの力(反発力)は上がったようです。

つぎに Phoebus No.625。10数年前に買ったものです。ノズルを灯油用に交換しています。本来はガソリン仕様ですが,ガソリンは怖い!また,ガソリンと言ってもホワイトガソリンです。普通の(自動車用の)ガソリンは使えません。つまり,高価!
予熱の最終段階でポンプから燃料の灯油が漏れ出てきました。

ちょっとわかりづらいでしょう。
接近して撮影しました。

如何でしょうか?おわかりいただけますか?
結局,このままでは危険ということで燃焼試験中止。

今回の点検では2台ともピストン(革カップ)に問題がありそうなことが分かりました。近日中に交換して修復させます。
以上

八重洲無線 FT-736 の電源を交換すること

2024-08-20 17:21:50 | 日記
八重洲無線の VU(50,144,430,1200MHz) オールモードトランシーバ FT-736 はなかなかいい無線機です。しかし,内蔵電源からのノイズが激しいのが難点です。とにかくこの無線機の電源を投入したら付近に置いてあるラジオが聞けなくなるほどです。そういうこともあってこの数年使わずにお蔵入りしていました。
このたび直流電源を手に入れたのでこれと交換することを思いつきました。同じスイッチング電源ですが,やはり時代とともに進歩しているのでしょう。

まず,FT-736 の外観をご覧ください。

実は,この写真は電源交換後に撮ったものです。

さて,まず電源を取り出さなければなりません。電源は底板をはぐったところにあります。

3つのユニットが見えます。左から 1.2GHz ユニット,50MHz ユニット,そして電源ユニットです。1.2GHz ユニットと 50MHz ユニットはオプションです。わたしのものはフル装備です。

さて,ねじを外して電源ユニットを取り外しました。

伝熱コンパウンドが塗布されています。まだや柔らかいです。購入してからもう30年以上になるのに立派なものですね。手に着くと厄介なので注意しながら取り扱います。

別のスイッチング電源を取り付けました。寸法はぴったりです。

実はここに至るまでずいぶん苦労しました。外形寸法はぴったりなのですが,取り付けが難しかったのです。まあ,とにかく強引に取り付けてしまいました。一部妥協もしました。
取り付け後の動きは問題なさそうです。ラジオにも影響を与えません。問題解決!
現役復帰させるか?しばらく考えます。
以上

置時計を修理すること

2024-08-17 10:56:07 | 日記
毎週開催される中古品の競売でゼンマイ式の古い置時計を手に入れました。

文字盤に TOKYO TOKEI とあります。また,2 JEWELS とも。
背面です。

大切なつまみ類はすべて揃っています。

この時計,長針(分針)が外れています。背面からゼンマイを巻き上げるとアラームが鳴ります。つまり,ゼンマイもアラーム機構も生きているということです。しかし,アラーム時刻を変えてもつねに鳴ります。また,アラームを止めようとしても止まりません。
時計本体を持って揺さぶるとカラカラと音がします。何かの部品が外れているのでしょう。

さっそくモールドの裏蓋を外しました。

内部はきれいでした。もっとも,この段階ではムーブメントの状態まではわかりません。机の上を見るとテーパピンが2本転がっています。上の写真の赤丸で囲まれた部分にあります。振るとカラカラ音がしたのはこのピンのせいでしょう。

さらにムーブメントの裏蓋を外します。

内部(ムーブメント)は綺麗でした。しかし,この状態では原因がわかりません。やはりムーブメントを取り出さなければ。

ねじを2本はずしたらムーブメントが取り出せました。さっそく長針を取り付けてねじを巻きますが,時計は動きません。アラームの動きは同じです。どうも油切れであることは間違いないようです。注油して慣らし運転をしますが改善しません。いや,わずかに改善の兆しが見えました。
周囲をよく観察すると,‥‥ありました。テーパーピンが抜けたと思われる穴です。

上の写真の赤丸で囲まれた部分ですが,お分かりいただけますか?さっそくピンを差し込みました。
さらによく観察するともう1か所同様な場所のピンが抜けていましたのでここにもピンを差し込みました。これによってムーブメント全体がきちっと固定されました。
すると,時計も動き出し,アラームも設定時刻以外では鳴らなくなりました。また,設定時刻で鳴り出しても停止ピンを押すと止まります。
以上で機能的には解決しました。

最後に前面の風防ガラスを綺麗にして組み戻しました。

さて,この時計,どうしようか?
以上

トリオ TS-530V の手入れ(6) バンドスイッチシャフトカプラを交換

2024-08-16 14:26:06 | 日記
トリオの終段真空管式短波無線機 TS-530 は WARC バンドも使える優れものです。終段真空管式の最後の製品だそうです。トリオは今のケンウッド。また WARC バンドと言うのは10MHz帯,18MHz帯および24MHz帯を言います。これらの3つの周波数帯は今からおよそ35年ほど前にアマチュア業務用に割り当てられました。

ところが,この TS-530,共通の難点が一つあります。それはバンド切り替えスイッチにガタが生じることです。わたしの持っているものもガタがあって,バンドを切り替えるたびに神経を使います。インターネットで調べると皆さん苦労しているようです。原因ははっきりしていて,バンド切り替えスイッチのシャフトをつなぐカプラにひびが入るのです。ひどいのになると,シャフトが空回りするらしいです。こうなるともうまったく使えません。

そこで,今回このシャフトの交換に挑戦しました。
まず,問題のバンド切り替えスイッチ(つまみ)の場所です。下の写真の右側部分の赤丸で囲んだところです。

外装を外しました。
絶対に忘れてならないことは「感電防止」です。スイッチを切り,プラグをコンセントから抜いても,高圧がコンデンサに溜まっている可能性があります。高圧充電部とケース間を短絡します。わたしの場合150Vほど残っていて,パチッをいう音とともに光を発して放電しました。

さて,問題のカプラは下の写真の右側部分の赤矢印の先端に顔を出しています。

丸い穴から白いものが見えますね。お分かりいただけますか?ご覧のとおり終段管を囲む箱の中に納められています。その箱の側面板を外します。

上の写真の赤楕円で囲んだ部分に白いものが見えます。これが問題のカプラです。ひびが入っています。

このカプラを交換しなければなりません。自作するつもりでしたが,丁度オークションにいいものが出品されていましたのでそれを落札・購入しました。

TS-520 からの取り外し部品だということです。ちょっと長めですが,何とか使えそうです。
まず,ひびの入ったカプラを取り外さなければなりません。バンドを10MHz帯にしておき,いもねじを緩めてシャフトを引っ張ったら抜けました。(抜きすぎに注意!)

上の写真の赤楕円で囲んだ部分です。

このカプラを何とか取り出して,代用品を組み込みます。ただし,ねじは鍋ねじだったものをいもねじに替えました。

なんとか取りつきました。
鍋ねじだと,押さえつけ7割,残り3割の力でねじを回します。これではシャフトを横から押さえることになり具合が悪い。この点,いもねじ(六角穴付きねじ?)だと押さえる力はほとんど要りません。

実はここで一つ心配事がありました。それは,二つのシャフトがぴったりおなじ角度で接続できるだろうか,ということです。しかし,心配は無用でした。最初ある程度の力でねじを締めつけておいてシャフトを右・左を回すとガクッと少しから回りして適正な位置(角度)に収まったのです。この段階でさらにいもねじを締めてやれば取り付け完了!

上の写真の赤矢印の先端部分をご覧ください。茶色のカプラがのぞいていますね。
外装を戻して完成です。
電源を投入して操作性を確認。信じられないくらいキチンをした動きでバンド切り替えができるようになりました。

おまけ
きょうわが家の庭に酔芙蓉が2輪咲いていました。

横に赤くしぼんだ花があります。これは昨日咲いたにちがいありません。
これから毎朝酔芙蓉の花を見るのが楽しみになりました。
以上