三昧日記

小心者川筋男の後悔日誌

今年最後の福智登山

2023-12-27 16:23:35 | 日記
きょうはもう師走の27日。ことしも残りわずかです。とは言っても,時間は連続していて来月,再来月‥‥と続く訳です。人間が暦と言うものを考案してそれに縛られているような気もします。
そんなことはともかく,きょうは朝からいい天気。さっそく山に登ることにしました。

もたもたしていて,家を出たのはたしか9時半頃。いつもの上野(あがの)登山口から歩き始めたのは10時20分でした。
きょうは新しく手に入れた古い杖の使い試しの意味もありました。先がとがっているので落ち葉が刺さって恰好悪いことこの上なしです。

背景が落ち葉なのでちょっと認めにくいでしょう。養生テープに¥300と書かれています。そうです,このステッキはフリーマーケットで300円でした。
心配していた雪はなく,凍ってもいませんでした。しかし,五合目付近から徐々に残雪が見られるようになりました。

八合目から上はかなりの残雪です。

しかし,歩くのに支障になるほどではありません。ぐいぐい登って行きます。(実はトボトボ。)

九合目付近です。いつもの山の岩がそびえています。

雪はほとんど写っていませんね。青空が綺麗です。

頂上には12時ちょうどに着きました。麓から正午を報すメロディーが流れてきます。
きょうは残念ながら遠くがかすんでいます。英彦山(ひこさん)がかすかにわかる程度。由布岳や姫島はもちろん全く見えません。

20分休憩して下山開始。途中で杖の写真を雪を背景に撮ってみました。

木の影などがあってちょっと見づらいですね。
この杖,最近多くの登山者が使っているものとは全く違います。わたしがひそかに思うのは昔この付近の炭鉱で使われたものではないかと言うことです。炭鉱では坑内に入る坑夫はかならず杖を使っていました。杖のほか装備として,
ヘルメット
キャップランプ(ヘルメットに装着)
バッテリ(キャップランプ用の電源で腰につける)
のほかは肩から下げる袋で,この中に弁当や水筒を入れていました。
わたしが不思議に思ったのは,キャップランプとバッテリは電線でつながってキャップランプは点灯したままだったことです。つまり,点灯・消灯のためのスイッチがないのです。その理由は後にわかりました。スイッチがあると,ON/OFFしたとき火花が出て,それによって坑内のガスや炭塵が発火・爆発するかも知れません。

ところで,上の写真,わたしの左足登山靴の一部が写っていますね。
登っているとき,降りの人が立ち止まって「その靴,いいですね」と語りかけてきました。続けて,「僕のはこんなもので,頼りない‥‥」と。わたしが「おんぼろですよ」と言うと,「いやいや」と返してきました。
そう言えば,前回か前々回も同じようなことがありました。降っていると,後ろから来た(わたしより)若い人が近づいてきて,「あのう,お聞きしてもいいですか?」,「その靴どこで手に入れましたか?」と。わたしが,「これは東京で買いましたが,この辺の山の店でも売っているでしょう?」と答えると,「そのような革の靴はありません」との返事。どうも最近は革製の昔ながらの登山靴は影を潜めたのでしょうか?
以上

不思議な柱時計

2023-12-24 20:02:48 | 日記
過日中古品の競売で時計を3台手に入れました。そのうちの1台はその場で知人に謹呈。残る2台を家に連れて帰った次第。
2台のうちの1台は本命の八角形柱時計で,もう1台はたいして興味のないカレンダー付柱時計でした。

その興味のないカレンダー付柱時計。ねじ巻きがありませんでした。代用のねじ巻きでゼンマイを巻いて壁に吊るして動かしていたら,時計はまあまあですが,カレンダーの日付が何と夜9時頃に変わるのです。

これはいかんと調整を試みたものです。

まず,文字盤を外しました。もちろん,その前に2つの針をはずします。

上の写真のとおりです。すると,何と!ねじ巻きがゼンマイの軸に引っかかっていました。ええ?どうしたらこんなことになるんやろ?世の中不思議なことばかりです。

針を付けて動かすと,

ご覧のとおり(午後)8時に日付が変わり始めます。そして,

(夜)9時には曜日も変わって完全に1日変わってしまいました。

さて,ここから調整です。

左側の歯車の角度がどうも狂っているようです。
これの調整ですが,思案した結果歯車を軸に固定しているEリングを外すとその歯車が上に動かせ,それでかみ合わせの位置と変えることができました。この操作を2度3度繰り返して無事夜12時付近で日付が更新されるようになりました。

それにしてもなぜカレンダーがずれたのだろう?なぜねじ巻きがゼンマイの軸にはさかったのだろう?不思議な時計です。
しかし,何だか愛着が湧いててきました。もやは「どうでもいい時計」ではなくなりました。
以上

腕時計のパッキンを交換

2023-12-23 20:32:05 | 日記
愛用の腕時計をはめて山に登ると風防の内側が曇って時刻が見づらくなります。霧の中とか小雨でも降っていたらひどい状態になります。防水パッキンが劣化しているのでしょう。

セイコーのアクタスというカレンダー付きの自動巻きです。文字盤は汚れてみすぼらしいのですが,まあまあ正確なので気に入っています。

そこでパッキンを交換することにしました。時計の裏蓋を外してパッキン(Oーリング)の収まる溝の直径を測ると,内径30㎜,外形32㎜でした。つまり,適合パッキンは内径30㎜で太さ1㎜と思われます。
しかし,インターネットオークションで探しても太さ1mmというのは見つかりません。そもそも本当に太さ1㎜でいいのか?それも確かではありません。
仕方がないので一番太い0.7mmのものを落札しました。

3本入送料無料即決で500円でした。本当は1本でいいのですが,仕方がありません。

作業のためベルトをはずします。裏蓋が見えました。

どこかの会社の永年勤続記念品だったようです。

裏蓋を外しました。

パッキンは硬化しています。取り外すときにちぎれてしまいました。

パッキンはオイルを塗布して溝に埋めます。そのオイルですが,数年前に買ったものが残っていました。

最初つまようじの先にオイルをつけて,パッキンの収まる溝に塗布しようとしたのですが,粘度が高くてうまくいきません。そこで,オイルを指につけてパッキンをつまむようにして全周に亙って塗りつけました。
そのパッキンを溝にはめ込んで裏蓋を閉じれば作業終了です。
さあ,今度の山行で評価しましょう。
以上

餅搗きと餡入り餅の雑煮

2023-12-23 10:55:17 | 日記
師走ですね。
毎年師走になるとわが家では餅を搗きます。糟糠と2人で昔ながらの臼と杵を使っての餅搗きです。

まず餅米を蒸して,あらかじめ予熱しておいた臼に入れます。

こんとき,このごはんをつまみ食いすると美味しいんですよね。最近のほとんどの若い人はこのような餅つきの場面に居合わせたことがないでしょうからこの「つまみ食い」のうまさが分らんでしょうね。知る人ぞ知るです。
ただし,あまりつまみ食いを重ねると後で胸やけがします。ご用心ご用心。

一人で一心不乱に搗き上げました。

表面は白くて滑らかで綺麗です。餅肌とはこのような状態なんでしょうね。
まだ熱いです。落とさんよう気いつけて運びます。――そして小餅に丸めます。わが家では九州の慣習に従って丸餅です。餡を入れた餅も作ります。

朝,雑煮にしていただきました。

餡の入った「あんこ餅」も入れました。香川の雑煮の真似です。
う~ん,うまい!
以上

金瓶梅を読み終える

2023-12-22 14:14:07 | 日記
12月22日ついに金瓶梅(きんぺいばい)を読み終えました。これまでの経過を要約すると,
 上巻(364ページ)読書開始 2022年10月8日
 中巻(394ページ)読書開始 2023年6月30日
 下巻(377ページ)読書開始 2023年12月8日
 下巻読書終了(全1,135ページ) 2023年12月22日
ということになります。下巻は1箇月を要しませんでした。本気になって読めばこのスピードで読めるということです。もっとも,上巻や中巻を読んでいるときは,他の本を読んだりしてその間中断していたという事情もあります。


金瓶梅とは主人公(?)西門慶(せいもん・けい)の6人の妻
 正夫人  呉月娘(ご・げつじょう)
 第2夫人 李嬌児(り・きょうじ)
 第3夫人 孟玉楼(もう・ぎょくろう)
 第4夫人 孫雪娥(そん・せつが)
 第5夫人 潘金蓮(はん・きんれん)
 第6夫人 李瓶児(り・へいじ)
と女中の一人 春梅(しゅんばい)
のうちの
 潘金蓮,李瓶児,および春梅
の3人の名前の各1文字を取ってつないだものです。たしかにこの物語では上記3人の登場場面が多く,目立ちます。

中国人の姓は普通1文字ですが,たまに2文字の姓もあります。ここの西門もその一つです。ほかによく知られた姓としては諸葛,欧陽,司馬などがありますね。
上記7人のうち,一人だけ姓のない人がいます。春梅です。この人の身分は奴隷です。奴隷は姓を名乗ることが許されなかったということを解説で知りました。本文中に奴隷(女中)の売買の場面が何度も出てきます。

主人公,少なくとも名目上の主人公である西門慶は下巻の中ほどで亡くなります。つまり,全体の6分の1は主人公不在です。他の夫人・女中も若くしてつぎつぎに亡くなります。最後まで生き残るのは正夫人の呉月娘です。つまり,この人が主人公とも言えましょう。
そして,気づいたのはこの最後の6分の1,すなわち西門慶の死後の話がこの物語の中心をなすのではないかということです。つまり,この最後の6分の1を描くために初めからの6分の5があるのではないでしょうか?まあ,文学に弱いわたしの見解ですから無視してください。

さあ,つぎは何を読もうか?――実はすでに何冊か用意しています。

上の3冊は紅楼夢です。よく金瓶梅と比較される長編です。
 上巻395ページ,中巻607ページ,下巻504ページの合計1,506ページです。金瓶梅の3割増しになります。

写真の左下は岩波新書の数学に関する話です。「人物で語る数学入門」と「高木貞治」です。いずれも元九州大学教授の高瀬正仁の執筆になります。紅楼夢を読みながら,これらも並行して読むつもりです。

写真の右下は西廂記(せいそうき)です。終戦後間もなく発行されたもので,わら半紙のような粗悪な紙に印刷されています。製本も悪く,崩れそうです。しかし,このような古本しか手に入らないのです。
西廂記は中国の雑劇である元曲だそうです。小説ではありません。以前から気になっていた作品です。と言うのは,金瓶梅や紅楼夢の中でたびたび出てくるからです。私見では朝鮮文学の春香記に似たところがあるようです。

実はわたしはこの西廂記の中国語版を2冊持っています。ただ持っているだけです。

ずいぶん前に中国人の知人に頼んで中国から買ってきてもらいました。ですから,横書きの簡体字になっています。
2冊のうちの1冊には挿絵があります。翻訳本にも扉部分にあるのですが,絵の質がまったく違います。

ちょっと小さくて見づらいでしょう。訳本のほうももう少し魅力的に描いて欲しかったですね。何だか恋愛話の対象にはならないような気がします。百年の恋も冷めそうです。
以上