勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

花は盛りに・・・

2014-04-10 23:59:00 | Weblog
 
吉田兼好は徒然草の中で
花は盛りに 月は隈なきをのみ 見るものかは
雨に対ひて月を恋ひ 垂れこめて春の行方知らぬも なほ あはれに情深し

といい、
桜は満開だけを、月は満月だけを見て楽しむべきものだろうか。
物事は最盛だけがすべてではない、と説く。


歌川広重の「名所江戸百景」に描かれた、上野公園の「清水観音堂」の『月の松』は、
一昨年の12月に150年ぶりに復活したそうだ。


桜が満開の頃には多くの人が訪れていたが、今は葉桜になり、
月の松から望む不忍池の弁天堂への階段も、人影がまばらになった。


しかし、公園内には未だに咲き続ける桜もあり、
葉桜の緑とピンクのグラデーションが、満開の桜とはまた違い、あはれに情深しである。


まさに
よろづのことも 始め終はりこそをかしけれ


東京は夏のような暑さになり、上野公園内では
散りしをれたる庭などこそ見どころ多けれ
と、昼間から酒宴を楽しむグループもいる。


夜になると急に冷え込み、北風が吹き始めた。
明日は
この枝 かの枝 散りにけり
今は見どころなし

になるのだろうか。