根と葉2
仏頂(ぶっちょう)長老が芭蕉に問う。
「如何なるか、草木葉上の仏」
と。
芭蕉曰く、
「大葉に大仏なり、小葉には小仏あり」
と答えました。
同じ物を見て人及び物を愛するを「仏」といいます。
「葉」ばかり見ると、皆異なっています。
「根」に依って見る時は一つです。
一つのものが分かれて「葉」になっているのです。
「葉」というものは無数です。
ヨーロッパになり、アメリカとなります。
ヨーロッパ人とアメリカ人と、隔離するのはいけないことです。
益々これを愛し合わなければなりません。
道歌に、「如何(いか)なれば 雪や氷と隔つらむ
落ちるは同じ 谷川の水」と。
落ちて見なければ同じものであるか、同じものでないか判らぬ
という様な事では困るではありませんか。
「心」というものは時間的には「無限」であり、空間的には
「無辺」なのです。