活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

時節因縁2

2017年04月10日 | 仏教

私たち衆生はわずかの失意に自棄を起こしてはいけません。

「只 働けばよい」のです。

只 働くところに人生の極致があるのです。

 

働きの価値が解らないから煩悶するのです。

働くその瞬間に宇宙を占領しており、宇宙が我がものに成り切った

処に真理があるのです。

 

「因縁」ということは、つまり「結果」ということです。

「結果」というのは「成就」したことです。

 

因と縁が合して一つのものが出来たのです。

「因」とは自己のことです。

「縁」は宇宙です。

 

ですから「宇宙」がなければ「自己」はなく、

「自己」がなければ「宇宙」はないのです。

 

一挙一動些々たることでも、宇宙全体に影響が及ぶのです。

つまり、私たち衆生は「宇宙」とその消長を共にしているのです。

 

其の間に固まった自己というものはありません。

これが、「結果は絶大なり、自己(自分)は小宇宙なり」と

いわれる由縁です。

 

「時節」というのは「今のこと」です。

「現在のこと」です。

 

古歌に、「世の中は 今日より 外はなかりけり

昨日は過ぎて 明日は知られず」と。

 

この今が大切なのです。

おシャカ様滅後五十六億七千万年に弥勒菩薩(みろくぼさつ)

が出るという真意は、今の延びたことを云ったものです。

 

今、今なのです。

今より外は何処にもないのです。

 

盤桂(ばんけい)禅師の歌に

「過去も 未来も 只今ばかり」

というのがあります。

 

「只今」が大事なのです。

「只今」に無限の生命があるのです。

無限の力があるのです。

 

それを認めなければ(信じなければ)なりません。

「道」は近きに在ります。

「道」は天下に満ち満ちているから「道」というのです。