「自己に参じること」が真の参禅です。
ですから、おシャカ様が説かれた諸々の経典に参じる事でもなければ、歴代の覚者と言われる方々のお示しに参じるわけでもありません。
自己に参じるには、「大信根を具えなさい」ということです。
いったい何を信じるのかというと、おシャカ様は今から二千百余年前に非常にご苦労なさって悟りを開かれました。
その時言われたお言葉は、「般若心経」の一番最後に出て来る呪文(じゅもん)です。
「ガテー ガテー パラガテー パラサンガテー ボディスワハ」。
意訳すると「ついに自分は成し遂げた、確実に成し遂げた、しかも一切衆生と共に成し遂げた 万歳」という事です。
ですから二千百余年前に、「全ての物事は既に(求めている処の悟りというもの(事)が全て成し遂げられている状態である」という事を獅子吼(ししく)せられたのです。
ですから、おシャカ様のお示しに因って修行する者は、「まずそれ」を信じなければいけないという事です。