活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

ただ坐れる人1

2021年07月29日 | 法理

私たち衆生一人一人が、本当に「ただ坐れる人に成る」という事が坐禅修行で一番大切なことです。

 

「ただ」というのは「影」です。

 

ですから、「ただ坐る」ことによって「その影(ただ)」を早く落とさなくてはなりません。

 

別の言葉で言えば「影の痕跡」をなくすことです。

 

そうしないと本当の「ただ」に成れないということです。

 

したがって、おシャカ様や歴代の覚者の教えによって、それを正しく行地ていかなければならないのですかれども「教え(分かったもの)」というものが、どうしても残ってしまうのです。

 

そのために「教え(分かったもの)」と自分との間に「隔て(距離)」が出来てしまうのです。

 

仏教は「月を指す指」といわれているように、月を見てしまえば指の必要がなくならないといけないのです。

 

「ただ」に成れば「ただ」がなくならないといけないということです。