若杉原生林
前日、久し振りに近所を歩いたが、期待していたような光景には出会えず。乾いた山にサクラシメジの幼菌が出始めていただけだった。三連休だというのに近場がさっぱりでは間がもたない。といって、遠征というわけにもいかず、近場のブナ帯へ。。
中国道から鳥取道を走り、途中、道をチョット間違えたが2時間程で若杉原生林に到着。去年も近所がカラカラで何もでていない時期に訪ねて、沢山のきのこに出会えた記憶がある。
駐車場に車を停めて、ブラブラと一人、峠に向かって歩き出す。去年とは違ってここも乾いている。ちょっと、がっかりだったがきつい登りがあるわけでもなく、散歩でもして帰るか・・・・
道の脇に転がっていたブナの枯れ木を覗き込むと、小さなウスヒラタケが張り付いている。
そして、その脇の枯れ木からは・・・・
チシオタケ
逆光で巧く写せないけど、この方が綺麗だな。。
そのブナの丸太の下にはナラタケがポツポツと出ていた。
峠に向かう登りの道の脇にはブナの枯れ木が転がっていて、それを眺めながら登る。去年は、歩き始めて直ぐの倒木にヒラタケが沢山出ていたのだったが、今年はそうは行かなかった・・・。
ツキヨタケ幼菌
チシオタケ
ヒラタケ
キララタケ老菌
道の脇に細い流れのある場所にさしかかった。流れの反対側に枯れ木が立っていて、その上の方に白っぽいきのこが出ているのに気が付いた。大した数ではないし・・・・そのままにして登っていこうかとも思ったが、暇だし川を渡って斜面を登り確認。
ヒラタケ
妙に白いヒラタケだ。去年、沢山採ったのと同じタイプのヒラタケだ。道に戻り、また歩いた。
スギヒラタケ
杉の切り株からはスギヒラタケが出始めている。そういえば、スギヒラタケの毒キノコ騒動はどうなったんだ?確か、静大のグループが毒成分について何年か、学会で報告していたが、はっきりとした結果が出ていなかったような記憶だ・・・・。
あっさりと峠辺りに到着し、T字路を右に登った先の行き止まりでUターン。そのまま、T字路を直進して暫く行くと東屋があった。
見晴らしはちっとも良くない。見えている山は氷ノ山?
まず、ビールを飲む。それから、買ってきた弁当を食べる。と、そこに一家4人が到着して、昼飯の準備を始める。何となく、一人ビールを飲んでいるのが気まずく、女の子に「こんにちは」というと、母親が「ご挨拶しなさい」などと言っている。4人と挨拶をしてから、ちょっと話をした。山用のパンツにトレッキングシューズ、湯沸し用のストーブも持ってきているので、「山には良く登るのですか?」と聞いた。「そんなでもないけれど、夏には涸沢に行きました」と母親が言う。「一家で行ったのですね、羨ましい。涸沢は今、紅葉が見頃らしいですね」などと話すが、一家団欒の邪魔するのもこれくらいにしよう。急いで歩き出した。
尾根沿いの道を進む。登ったり下ったりだが、マツタケ山の傾斜とは比べ物にならないほど、緩い。
ツキヨタケ
ツキヨタケが大きくなっている。そういう季節なんだな。ブナ帯は順調に季節が進んでいるようだ。
進んでゆくとまた、三叉路に出た。左に曲がると沢沿いの道を通って、登ってきた道に戻る。直進すると、原生林の外周路を歩くことになる。その道は去年歩いているが、大したきのこには出会っていない。元のコースに戻るのは気に喰わないが、目的はきのこだ、沢沿いを歩くべき、と思い左に道をとった。
そして、その50m程先のブナの立ち枯れに・・・・
ヒラタケ
ちょうど、食べ頃のヒラタケが出ていた。さっき、出ていたものとはタイプが違うような気がする。しっかりしていて、木から剥ぎ取るのが難しいほど、弾力がある。三叉路を直進していたら、出会っていないわけだ。
さらに進むとブナ?の立ち枯れにきのこが沢山出ている。
遠すぎてはっきりとは分からないが、ツキヨタケのようだ。夜に来たら面白い写真が撮れそうだけどね。。
道を外れ、根曲がり竹の斜面を下り沢沿いを歩いた。何となく、舞茸がでているような気がしたのだ。
そして、あっ、本当にあった?と思ったのだが・・・・
マスタケ老菌
そんなに世の中、甘くはないよね。
沢は奥に続いていて、良い雰囲気なのだが、奥に分け入る気分でもない。
ツエタケ
チシオタケ
ナラタケ
?
元の道に戻り、下る途中、沢の脇のベンチで休憩した。
紅葉はあと2週間くらい先だろうか?
このオオイタヤメイゲツが色づいた頃にまた、来たいものだ。この辺りでもナメコがでるだろうから。
腎不全の方は末期で週に3回透析が通常ですが、
老廃物は健康な人と同じようには除去しきれないので、
普通では考えられないことが起こるでしょうね。
そうそう、例えば、山菜の蕨やフキノトウも不安定な毒素を含んでいて、生で喰う家畜には発癌性があると問題になりますね。
きのこ採集も是非、して見てください。分からないきのこがあれば、分かる範囲でご返事しますから。答えは「喰える or ダメ」くらいですけど。
生物系でしたので、はじめてNMRに出会った時は別世界の存在に感動したものです。
例のキノコですが、従来食べていたのが、充分な加熱沸騰と推測していましたが、couchan さんのご意見から、健康ならば、(またまた推測で恐縮ですが、)すみやかに、数時間内に尿中に排泄される(?)なりして解毒されていると考えるようになりました。
一方、透析していると、その排泄(解毒)がうまくいかないので、毒物がある程度の量を超えると症状につながると思います。 透析されていると、代謝産物も随分違ってくるようなのこともこの度、教えていただきました。
私(達)はすでに退職しておりまして、私はインターネットの検索を楽しんでおります。
此の度は何度もお付き合いいただき感謝しております。 今後もブログ拝見させて下さい。キノコの写真上手ですね。
やはり何らかの毒性を示す可能性がありますよね。
十分、加熱して食べないと下痢するとか・・・。今後、気をつけます!
メチル基のシフトでの解析、経験ありますよ。メチル基のCをC13でラベルしておくと、もっと楽しめます。
そして、加熱に関してご意見いただいていることには特に大変うれしく思っています。ありがとうございます。
沸騰するまでの加熱があるとは言え、味噌汁で1分程度の沸騰で食べたと言う方(2人の方のブログより)もいらっしゃいまして、
そして、従来食べていたわけですし(ご指摘のように15分近くも沸騰させているとは思えません)、今も食べている方のブログもありますし、
健康ならば、このキノコ、この化合物に毒性があるとは言えませんよね。
もちろん、透析されている方は医学者の指摘通り、決して食べてはなりません。
kouchanさんが食べていらっしゃるとのことも加わって、健康な方にはこのキノコは(当然、この化合物は)無毒と思います。
話はちょっと変わりますが、この化合物は高濃度で存在し、その上、メチル基があるので、NMRで軽水のままで簡単に検出され、加熱による変化もメチル基のシフトで容易に追跡できたんです。 一切の抽出作業なしで、すりつぶすだけなので、緑茶のようなサンプルで。
スギヒラタケは何年も、沢山食べてきたきのこです。
毒というニュースは意外でしたが、構わず食べてます。
腎不全患者の尿毒素を調べていたことがあり、健常人とは異なる病態も知っていましたので。
味噌汁にスギヒラタケを入れて食べる人は15分も沸騰させないかも知れませんね。
最近、スギヒラタケの被害は聞かなくなりましたね。
まさに専門家であられたとは有り難いことです。
コケと水分の説明はすっきりしますね。 NMRを測定していましたがそもそもは生物系でして、失格ですね、思いもよりませんでした。
沸騰で結合は切れるのですが、15分とかは必要なようで、5分以下とかでは不十分なはずなのです。
マウスは肝臓で解毒(結合を切断)する可能性が示唆されまして、実験には注意が必要と思います。
とは言っても、マウスやラットを扱っていませんでしたので、動物実験はしておりませんでしたが、その後、支持されても来ています。以下にあります。
http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~tennen/Waki.pdf
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/anie.201004646/abstract
静岡大のこと、いつも静大と意識せずに言ってますね。
私は名大出身なので、ご近所さんだったからかな。
むらびとさんは、若杉の方なのですか?
これからもよろしくお願いします。
私もきのこ好きの前に、(元)天然物屋ですので、スギヒラタケの毒には興味を持っていました。
アジリジン誘導体説は実は知らず、失礼しました。
きのこ好きの立場からすると、とても興味深いです。
スギヒラタケを始め、きのこは十分火を通さないと、含まれる酵素で胃腸をやられることが多いのです。
ですから、煮沸に不安定な物質が脳症の原因とは考えにくいのですが、
せっかちで、腎機能の悪い人が発症するとしたら、可能性はありますよね。
腎不全モデルラットに生のスギヒラタケを食べさせたら発症するんですか?
スギヒラタケは杉の枯れた株に出ます。その株が苔に覆われていれば、水分が保たれるのでスギヒラタケが出やすい環境になるようです。
思えば、その株を覆っている苔はいつも同じ苔のように思いますよ。
いつも、美しい写真と、キノコについての博学さに、驚嘆しております。
さて、静岡大学のことを、静大とお書きになっておられるのを見て、全然関係ないのに、思わずコメントしてしまいました、静大卒の村人です。
これからも若杉の魅力を発信してください。
楽しみにしております。
急性脳症と例のキノコの関連について、加熱で無毒化するのではないかと考えています。 キノコに詳しい方のご意見も伺いたいところです。
このキノコはどうも緑色のコケと一緒に写っている場合が多いようですね。