雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

バレンタインデー

2008年02月14日 | adorably autistic
息子は、子どもが普通喜んで食べるような菓子類
(スナック菓子、飴、ガム、ラムネ、グミ、チョコレート、
クッキー、ケーキ、シュークリーム、etc.)が嫌いです。

飲み物も麦茶やウーロン茶、果汁100%のアップルジュースか
グレープジュースが好きで、清涼飲料類、特に炭酸系は
飲みません。あんこも大の苦手です。

そんな彼のおやつは、りんごやバナナ、みかんなどの果物、
森永マリーなどの古典的なビスケット、豚まんやミニピザ、
みたらし団子や大学芋、いもようかんやおせんべいなど。

毎日3~5種類を用意しておいて、自分で1つ選ばせるように
しています。もともとは2択から始め、だんだんに選択肢を
増やしてきました。

最初は毎日同じものを選んだりしていましたが、段々に
その日の気分で選ぶようになり、最近は賞味期限をチェックして、
「おかあさん、これ、きょうまでだから、きょうはこれにするよ」
などという選び方もするようになりました。

さて、それはそうと、今年も来ました、バレンタインデー。
昨年まではバレンタインの日には、学校の送迎バスの
添乗員さんからチョコレートをいただいてきた息子ですが、
本人は嫌いなものなので、もらってもうれしそうでもなんでもなく
愛想のないことこのうえなし。

でも、小学校のときに比べてクラスの女子がよってたかって
面倒を見てくれているような今、気をつかって彼にもチョコを
用意してくれる子が、ひょっとしたらいるかもしれない。

そんな淡い期待を抱いた母は、朝、
「いい?ちびくまくんはチョコレートが嫌いだけど、もし今日
 チョコレートをくれたお友達がいたら、『苦手です』って
 言わないで、『ありがとう』って言うんだよ」
と言い聞かせて、息子を送り出したのでした。

・・・で、帰ってきた息子に、
「ねえ、だれかにチョコレートもらった?」と訊くと
息子はしれっと
「ううん、もらわなかったよ♪」
・・・世の中、そんなに甘くないか・・・(笑)

「ところでおかあさん、きょうのおやつはなに?」
今日も3種は用意してあったのですが、ふと小さなチョコが
1つだけあったことを思い出して、選択肢の最後に
付け加えてみました。

すると、驚いたことに、息子は
「じゃあ、今日はチョコレートにするよ」と言うのです。
「ほんと?チョコレート食べられるの?」
「うん、食べられるよ」

そう言った息子は、親指の先ほどのチョコレートを
アリが食べてるのか?というようなスピードで、
ときどきオエッとなったりしながら、苦労して食べきったのでした。

あまりのことに見かねて、
「ちびくまくん、チョコレートはちょっぴりだったから、
 もう1つ選んでいいよ」と言うと、
今度はオーソドックスにビスケットを選んで、
「あ~おいしいねえ」とにっこり。

「ねえ、ちびくまくん、ほんとはチョコレート苦手でしょう?
 どうして頑張っておやつに食べようと思ったの?」と訊いた私に、
息子はニコニコ笑ってこう言ったのでした。

「だって、きょうはバレンタインデーで、チョコを食べる日だから」

大晦日のそばや節分の巻き寿司と同じ感覚だったのね・・・





1 コメント

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お見舞い (smiling)
2008-03-09 00:39:43
数年前の夏、目白大での自閉症スペクトラム学会でシンポに参加してちびくまママさんを知ったスマイリングです。

ずっとあなたのブログを読ませていただいて
力をいただいているひとりです。

柔軟で頑張り屋ですてきなあなた
今は苦しいでしょう。

どうぞゆっくり休んでください。
そして生きていてください。
理想の人生でなくても生きていてください。

私も7年前にうつ病で病休を1年いただいていました。

絶望し何度も死んでしまおうとしてしまいました。

それまで、特別支援教育推進のために
学校現場で頑張りまくっておりました。
プライベートでもたいへんな事件がおこっていましたが
仕事で出会う子ども達とお母さん達からいただく
使命感と義憤とに励まされて
スピードをあげて地域の整備をしていってました。

今でも、あの時うつにならなければ
うちの地域の特別支援教育をもっとよい物にできていただろうに・・・
と悔いに責められる時があります。


一方、
身体も思考も思うように動けず
たちどまらずを得ず
働きすぎないように暮らしてくると

性急だった自分にブレーキをかけられるようになると共に
自他に対して
理想を求めすぎず
足りなさを責めない
謙虚なおおらかな私に成長できているんです。

尊敬はされなくても
前よりも
私はつきあいやすい人になってきたようです。


そんな自分を全面肯定できるまでには
まだまだ至らない私ですが。

こんな楽なスタイルになるまでに
うつで伏せった頃から
もう7年たっているんですよ。

1年半で元気なおばさん先生に復活して
それからも特別支援学級担任で特別支援教育コーディネーターをして奮闘しています。

私が定年を迎える頃(あと10数年程)では
日本の制度はまだ満足できるものには整ってないかもしれない。
ゆっくりでも正しいと思うことをしていきたいと思っています。


ちびくまくんとママの存在は
多くの人にとって大切なのです。

どうぞゆったりと休養を。
やがて必ず爽やかな空気を感じられるように戻りますよ(^-^)

お返事はご無用です。
遠くで応援しています。

いつか再会を楽しみにしています。

              smiling (^-^)/









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