雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

体調不良と思わぬ言葉

2008年03月04日 | adorably autistic
それは昨日の早朝のこと。
4時ごろ、息子が起きてトイレにいった気配で目が覚めました。
ところが、いつまで経っても布団に帰ってきません。
どうしたのかと思って見に行くと、彼は廊下で洗面器を抱えて
座り込んでいました。

「どうしたの?気持ち悪いの?」
「だいじょうぶ」
「ここだと寒いよ。リビングのストーブつけてあげるから
 あっちへ行こう」

息子は青い顔をして従います。
ストーブをつけ、タオルを用意して息子のところへ戻り、
背中をさすっていました。
すると、息子が言ったのです。

「ぼく、だいじょうぶだから。お母さんはゆっくりねてて」

自分で洗面器を用意して抱えていただけでも「すごい」と思ったのに
これにはもうびっくり。

「しんどいのにそんなこと気にしなくていいよ。
 ちゃんと一緒にいるからね」
「ううん、だいじょうぶ。ねてて」

そういって、布団の方向へ私を軽く押すようにします。
仕方なく私は布団に入り、息子の背中を見守っていました。
ただ具合の悪いときに構われることがうっとおしかった
だけかもしれません。
でも、私には、息子がこんな時にも私の体を気遣ってくれたと
思えて、とても嬉しかったのでした。

そのうち、息子は何度か吐きました。
また起きていって、背中をさすりながら
「洗面器、一度洗ってこようか?」と訊くと
「まだ、もうすこし、いる」と答えました。

気分が悪くなったときにどうするべきか、を切実に教える機会は
息子の気分が悪くなったときしかありません。
これまで何度もこういう経験をつんだからこそ、
自力で判断や行動ができるようになったんだなあ、と
私は変な感動をしていました。

8時まで待ってK先生に電話をかけ、事情を話して
今日は欠席する旨を伝えます。
「原因はテストですかね?」

実はこの日から3日間、期末テストの予定でした。
息子は2学期も家庭科や美術、保体、音楽と実技教科のみ
期末テストを受けたのですが、問題の文章も十分理解できなくて
半パニックになり、もちろん回答もほとんどできず
とても自信をなくして落ち込んでいたのでした。

でも、今学期も本人が「受ける」というのでテストの
予定にしてあったのですが、本人の頑張りたい気持ちとは裏腹に
体のほうが「これ以上頑張れない」と音をあげたのかも。

もちろんこの季節なので、単なるお腹の風邪、という可能性も
あるのですが、ストレスが行動の荒れではなく消化器症状という形で
でやすい子であるだけに、テストのプレッシャーが原因に
なった可能性も高いのです。

K先生が、私が言い出すより先にそのことに気が付き、
心配してくれたことに、私はとても安堵しました。

息子の嘔吐は午前中いっぱい続きましたが、昼食も食べずに
眠ったあとは、だんだん元気になって、笑顔も見られるように
なりました。
そこへK先生から明日の予定の連絡。
見事に、テストの予定がすべて個別学習に書き換えられています。
夕食には軟飯を少しとりんごを少し食べた息子。
「明日はげんきに学校へいきます」とK先生が知らせてくれた予定を
自分のスケジュール帳に書き写していました。

今日は朝からいつもどおりの笑顔で登校していった息子。
私はといえば、昨日の「お母さんはゆっくりねてて」を反芻して
幸せに浸っていたのでした。

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